県産食材を食べよう!
今月はイチゴ
おいしい元気

ビタミン豊富な 「いちごソース」

春を彩る赤い果実、イチゴ。1粒つまめば、やさしい歯ごたえとともに、ナチュラルな甘さが口中いっぱいに広がる。本県はオリジナル品種「やよいひめ」の主力産地だ。そこで、甘さと酸味のバランスに優れた「やよいひめ」を使ったメーンディッシュと、ジュースの作り方を紹介しよう。ビタミンC豊富なイチゴを食べて、元気に春本番を謳歌[おうか]してほしい。

鶏ささみソテー
─いちごのラビゴットソース─

エネルギー 153kcal
たんぱく質 15.1g
脂質 6.7g
食塩相当量 0.9g
ビタミンC 45mg
材料(1人分)
鶏ささみ小2本、塩・こしょう・小麦粉・油適宜
イチゴ3個、キュウリ20グラム、新タマネギ10グラム、レモン汁大さじ半分、オリーブ油大さじ1、塩、こしょう
ベビーリーフ20グラム
作り方
  1. 鶏ささみは筋を取り、塩・こしょう・小麦粉をつける。フライパンに油を入れ、鶏肉の表面を焼き、色がついたら裏返し、ふたをして中まで火を通す(焦がさないように注意)
  2. イチゴ・キュウリは5ミリ角、タマネギはみじん切りにする
  3. オリーブ油・レモン汁・塩・こしょうをよく混ぜ合わせ、2の野菜と合わせてソースを作る
  4. 鶏肉とベビーリーフを盛り付け、いちごソースをかける
メモ
  • イチゴを水洗いする際は、ビタミンCが流れないようにさっと洗うのがこつ
  • 鶏ささみを白身魚にしてもおいしい。レモン汁はリンゴ酢でもOK
  • いちごソースはドレッシングにしたり、パンに乗せてブルスケッタにしても

いちごジュース

エネルギー 70kcal
たんぱく質 2.5g
脂質 1.0g
食塩相当量 0g
ビタミンC 32mg
材料(1人分)
イチゴ4個、ニンジン25グラム、豆乳50cc、はちみつ・ミントの葉・レモン汁適宜
作り方
  1. ニンジンは薄いいちょう切り、イチゴはへたを取り半分に切る
  2. 材料をミキサーにかける
  3. 器に入れ、最後にミントを飾る
メモ
  • 豆乳が苦手な人は、プレーンヨーグルトや牛乳でもよい
  • はちみつの代わりにメープルシロップでもOK

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

一念発起し30代で就農
“オランダ方式”で栽培

県産食材
イチゴ栽培 榛東村広馬場
南 明法さん(43)

「家族においしいイチゴを食べさせたい」と、6年前に一念発起。新規就農者としてイチゴの栽培を始めた。

手掛けているのは、本県育成品種の「やよいひめ」を主力に、「とちおとめ」と「桃薫[とうくん]」の3種類。広さ約1000平方メートルのビニールハウス2棟で年間約20トンを収穫し、その8割を自宅で直売している。

「こんな田舎まで車でたくさんの人が買いに来てくれます」と目を細める。栽培2年目にいきなり県いちご品評会で金賞を受賞。その後も金賞と銀賞を重ね、「おいしい」との評判が口コミで広がり、客足を伸ばしている。

農林大学校で基本学ぶ

ビニールハウス内でイチゴの実の付き具合をチェックする南さん

東京の不動産会社で働いていた。30代で就農を決意したのは、「家族との時間を大切にしたい」との思いから。高崎市から毎朝、新幹線通勤をしていたため、家族と触れ合う時間が少なかった。

「気の抜けない仕事で疲れたのと、少しばかり貯蓄もできたので、家族と一緒に農業しながらのんびり仕事をしたいと思いました」と振り返る。今で言うスローライフへの憧れもあったという。

栽培品目は、子供たちの要望が最も強かったイチゴと決めた。農業経験ゼロのハンディをカバーするため、県立農林大学校に1年間通い、農業の基本を学びながら本格栽培に向けて準備を重ねた。

実家は農家ではなかったが、広い土地を持っていた。「榛名山麓の傾斜地で水はけがよく、イチゴ栽培に向いていたのも幸運でした」

「桃薫」との出合いに感謝

「自然の力がギュッとつまったこだわりのイチゴ屋さん」が、直売所のキャッチフレーズ。栽培にあたって南さんは ①薬を使わない土壌消毒 ②有機肥料が中心の土作り ③天敵を利用した減農薬栽培を心掛けている。

「私はオランダ方式のイチゴ作りを実践しています」。肥料、水、温度、そして光合成に必要な二酸化炭素をコンピューターでチェック。データをもとに環境制御を行い、「甘くておいしいイチゴをたくさん収穫しています」。イチゴに付くダニを食べる有益のダニや、アブラムシを退治するハチを利用する天敵栽培によって、減農薬にも成功している。

「私をイチゴ生産者として成長させてくれたのは桃薫でした」と、新品種との出合いに感謝する。イチゴ作りを始めたばかりの2011年に品種登録された桃薫は、淡い桃のような色合いと、ココナッツのような甘い香りが特色。「希少価値のある桃薫を、やよいひめとともにぜひ味わってほしい」と話している。

広々としたハウスは甘い香りに包まれている
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