元気プラン

少し汗ばむと気分も体もすっきり 2010年の国民健康・栄養調査によると、30歳以上の日本人男性の60%、女性の45%が高血圧と判定されました。高血圧は心疾患や脳血管疾患の発症にかかわる重要な疾患です。運動を通じて血圧を調整していきましょう。


予防と改善 高血圧

運動で血管柔らかく─心臓の負担減

血圧上昇は塩分の過剰摂取と運動不足、年齢による血管壁の硬化が影響します。運動の効果として 血管内皮機能の改善が挙げられます。運動で筋肉が収縮することにより一酸化窒素(NO)が活性化し、血管壁を柔らかくします。

血圧の高さと危険因子─運動の適応に注意

高血圧の段階により運動内容は変わります(図1)。低リスクの人は生活中にしっかり運動して、塩分と体重に注意しながら140/90mmHg以下に下げていきましょう。

中リスクの人は運動前後の血圧を測り、運動強度や体調変化、気候に注意して運動しましょう。高リスクの人は主治医と相談し、できれば運動負荷試験を受けた後、健康運動指導士らの指導のもと、室温の安定した施設などで運動しましょう。

運動1 有酸素運動を中強度で

改善の運動は軽く息が弾むくらいの中強度が一番大切です。運動強度により血圧反応と降圧効果は変わります。

低リスクの人は、軽く息が弾むくらいの目標心拍数を「138-(年齢÷2)」の式で求められます。例えば50歳なら138-(50÷2)=113拍/分。精度を上げて安静時心拍数から求めるカルボーネンの式では「{(220-年齢)-安静時心拍数×0.5}+安静時心拍数」となります。

ただし、中リスク以上の人は運動により血圧が異常に高くなったり、高リスクの人は服薬により心拍数が上がらないなど、この式が当てはまらない事があるので注意しましょう。運動前後で血圧を測定して反応を記録しておくことが大切です。

中強度の運動で血圧を下げるには、有酸素運動で心拍数を上げる必要があります。有酸素運動は「速歩」や「固定式自転車」がお勧めです。

一日8000歩歩いて、うち20分以上中強度の運動をすると、血圧改善効果があることが明らかになりました。8000歩20分を週3回以上取り入れてみましょう。

高リスクの人は運動負荷試験を受け、運動処方に基づいた強度で行いましょう。県立心臓血管センターではヘルスアップ教室を開催しています。

運動2 肩甲骨を広げて血行改善

肩甲骨は年齢や生活により徐々に横に開いて固まってきます。この状態が続くと肩が上がり首回りに脂肪が付き、背中が丸くなってしまいます。このように見える人は血圧が高いことが多いようです。

そこで、肩や腕を動かす体操(図2)をして肩甲骨の可動範囲を広げ、血行を改善することで血圧が上がるのを防ぎましょう。

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