県産食材を食べよう!
今月はトマト
おいしい元気

動脈硬化の リスクを軽減

夏野菜の代表格として、食卓に欠かせないのがトマト。太陽の光を浴びて真っ赤に熟したトマトの赤い部分(特に皮)には、抗酸化作用の強いリコピンがたくさん含まれている。血中コレステロ ールの酸化を防ぎ、動脈硬化のリスクを軽減する働きをもつリコピンを、トマトを通してたくさん摂取し、この夏を元気に乗り切ってほしい。

トマトと揚げナスのシンプル炒め

~味の素(株)協力~

エネルギー 238kcal
たんぱく質 5.4g
脂質 16.4g
食塩相当量 1.7g
材料(1人分)
トマト(大玉)1個、ナス1個、揚げ油適宜、塩ゆで枝豆10粒、ニンニク2グラム しょうゆ大さじ半分、だしの素少々、砂糖少々、かたくり粉小さじ1、サラダ油小さじ1
作り方
  1. トマト、ナスとも乱切りにし、ナスは油でサッと揚げる
  2. フライパンで油を熱し、つぶしたニンニクを入れて香りを出す
  3. トマトとナスを入れ、調味料を加えて、最後に倍の水で溶いたかたくり粉でとろみをつける
  4. 盛り付ける際に枝豆を乗せる
メモ
  • トマトに含まれるリコピンは熱に強く、油と一緒に摂取すると吸収力がアップするので、加熱調理もおすすめ

トマトのマリネ

エネルギー 56kcal
たんぱく質 0.7g
脂質 4.1g
食塩相当量 0.7g
材料(1人分)
トマト(大玉)半分、タマネギ15g、パセリ1g、サラダ菜1枚、オリーブ油小さじ1、酢小さじ1弱、塩0.7g
作り方
  1. トマトは薄くスライスする
  2. タマネギ、パセリともみじん切りにする
  3. オリーブ油、酢、塩をまぜ合わせ、2を加える
  4. 皿にサラダ菜とトマトを盛り付け、3のドレッシングをかけ、冷蔵庫で冷やしておく
メモ
  • ミニトマトなら半分に切り、調味液と混ぜ合わせてもOK

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

新品種の栽培に意欲
6次産業化を目指す

県産食材
トマト栽培 沼田市利根町
新井 英伺さん(50)

赤城山北麓の園原湖に近い山あいに、何棟ものビニールハウスが建っている。中をのぞくと、1メートルほどに成長したトマトの苗が4列に並び、整然と緑の行列をつくっている。端から端まで50メートル。実に壮観だ。

オレンジに色付き始めた実が小さな拳ほどに育っている。「もうすぐ収穫が始まります」と、新井さんが日焼けした顔をほころばせた。別の場所と合わせると、ハウスの数は50棟、栽培面積は1ヘクタールに及ぶ。「これから収穫と出荷作業に追われる日々が、秋まで続きます」と表情を引き締めた。

▲ハウスでオレンジに色付いたトマトの実を収穫する新井さん

無添加100%ジュースも

人気の無添加100%のトマトジュース

農家で育った新井さんが、勤めていた会社を辞めてトマト栽培を始めたのは二十数年前。「ワイン作りをやってみたい」というのが、脱サラの動機だった。しかし、ブドウ栽培は断念。父親が細々とやっていたトマトを継ぐことにした。

「試行錯誤の連続でした。近隣の農家に教えを請いながら、新品種の栽培法などを身に付けていきました」。現在、手掛けているのは大玉が「ぜいたくトマト」「桃太郎8」「りんか409」、ミニが「プチぷよ」「トマトベリー」「千果(ちか)」の計6種類。いずれも尾瀬の雫としてスーパーや直売所などに出荷している。

「それぞれ酸味や甘みに特色があり、好みに合わせて食べていただけたらうれしいです」と新井さん。特に自慢の「ぜいたくトマト」は、酸味と甘みのバランスがよく、味の濃いのが特色。また、「プチぷよ」は甘みが強く皮が薄くて、果物のようなミニトマトだ。この2種類については、地元の農協に加工を依頼して、無添加のトマト100%のジュースとして販売している。

手間暇かけ種から育成

「おいしいトマトを食べてもらいたい」というのが、栽培を始めたときからの一貫した思いだ。だから「ぜいたくトマト」を除いて、すべて種から自分の手で育てている。

「手間と時間をかけた分だけおいしくなります」。3月の種まきに始まり、定植に備えた土づくり、発芽した苗を個別のポットに植え替える鉢あげ、そして定植、育苗とさまざまな作業が続く。時期や状況に応じて肥料を使い分ける。水や温度管理の良しあしが収穫量を左右するとあって、研究にも余念がない。収穫は7月から11月初旬まで約4カ月間。妻の紀帆子さん(48)との二人三脚だが、ピーク時はパートやアルバイトを雇っている。「8月半ばを過ぎると甘みが増すので、ジュースにしています。『おいしい』といわれる時が一番うれしいです」。6次産業化認定事業者として、将来は加工も手掛けるつもりだ。

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