困っていませんか?
高齢者の生活を支える拠点
地域包括支援センター
県内の全市町村に設置
「介護サービスを受けたいが、どこに相談したらいいか分からない」「知り合いの高齢者が虐待されているようで気がかりだ」・・・。そんな悩みを抱える人たちに、相談先としてぜひお勧めしたいのが地域包括支援センターです。あまり耳慣れないかもしれませんが、介護保険法によって2006年に設置されました。
設置主体は各市町村で、全国に約4,300カ所、県内にも全市町村で計90カ所あります。高齢者が住み慣れた地域で、その人らしい生活が送れるように、介護だけでなく福祉・健康・ 医療など幅広い分野から総合的にサポートする拠点となっています。
権利擁護や介護予防活動
各センターには保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)という専門職員が配買され、それぞれの専門性を生かしながら互いに連携し、チームとして総合的に高齢者を支えています。具体的には「介護予防のための助言や指導」「高齢者の権利擁護」「要支援認定者のケアプラン作成」などが主な仕事です。
高齢になるにつれて、足腰が衰えて体力的に不安を抱える人が増えます。こうした要介護の予備軍に対しては、簡単な体カチェックを行ったり、健康教室などを開いたりして、高齢者が自立した生活を送れるようアドバイス。また、高齢者虐待の防止や悪質な訪問販売などに対して広く相談窓口を開いて、高齢者の権利擁護に努めています。介護保険で要支援1・要支援2の認定を受けた人の介護予防のケアプラン作成も行っています。
困った時の心強い味方
「センターは人口3万人に1カ所の割合で設置されています」と話すのは、前橋市地域包括支援センター西部(センター長高玉真光)で主任介護支援専門員などを務める山田圭子さんです。同市内に11あるセンターの1つで、元総社・総社・清里の3地区を担当しています。
山田さんの話によると、相談内容の半数は介護保険の利用に関することだそうです。高齢者虐待が疑われる通報が寄せられたときは、内容によって行政や警察などと連携しながら対応しているとのことでした。また、広く民生委員や歯科医師・薬剤師・保健師らに参加を呼び掛け、定期的に「多職種協学事例検討会」を開いて、地域が抱える高齢者問題とその解決策などを話し合っているそうです。
山田さんを訪ねたBは、ちょうど65歳以上の人を対象にした参加型サービス「からだと脳の若返り講座」の開催日でした。会場のホールでは、参加者たちが元気にピンシャン体操を行ったり、歯科衛生士による口腔衛生の話に耳を傾けたりしていました。私たちの身近にある地域包括支援センターは、高齢者本人のみならずその世話をする家族や周囲の人たちにとっても、困った時の心強い味方といえるでしょう。