元気プラン

予防と改善 「膝痛」

認知症引き起こす?

厚生労働省「国民生活基礎調査(平成25年度版)」によると、介護が必要となった主な原因として要支援者では「関節疾患」が1位で、次いで「高齢による虚弱」、「骨折・転倒」の順で、「関節疾患」の中で最も多いのが膝罠節です。膝関節の痛みによって動くことが難しくなり、外出や身体活動が減少します。そのような生活を続けると、筋力が低下し、ますます膝痛が悪化する負のサイクルに陥ります。その結果として、膝の痛みが発端となり認知症を引き起こし、運動不足から肥満になり生活習慣病を招くことにもなります。

原因は加齢?

膝関節の役割は、大きく分けて「足を動かすこと」「体重を支えること」の2つです。「足を動かすこと」は、私たちの生活に欠かせない「歩く」、「しゃがむ」、「正座をする」という動作があり、膝はそれぞれ60度、100度、140度の角度で曲がります。膝の伸展・屈曲により日常生活での活動がスムーズにできます。

次に「体重を支えること」では、膝より上にある頭?両腕・胴体・太ももなどの重さが膝にかかるために、膝はそれを支えています。歩く時は体重の約2倍、階段昇降では約3倍、走る時には約5倍の負担が膝にかかります。

このように日常生活の中で、膝には相当な負担がかかっています。一般的な膝痛の原因には、加齢(骨・筋肉・靱帯などは30歳を過ぎたころから衰え始めます)、運動不足による肥満、膝の筋力や柔軟性の不足、運動や仕事による膝ヘの負担、0脚やX脚、冷え、過去のけがなどがあります。特に脚の内側の筋肉が弱くなってくると、膝関節が不安定となり、膝痛の原因になります。

効果のある運動は?

そこで膝痛になる前に、筋カトレーニングやウオーキング・ストレッチなどを生活の中で習慣化し、膝に適度な負荷をかけてあげることが大切です。また、運動や身体活動の増加が肥満(体重増加)を防ぎ、メクボやロコモの予防にもなります。歳を貫ねてもアクティブな生活ができるよう、今日から適度な運動に取り組み継続しましょう。

誰でも手軽に行え、膝が喜ぶ運動を紹介します。(注:膝に痛みがある人や膝の痛みが強い人はかかりつけの医師に相談してから行うようにしてください)

椅子を使った運動(筋トレ)

※椅子に座る時には浅めに腰かけ背筋を伸ばすようにしましょう

○運動1:膝伸ばしの運動(セッティング)
座面が安定するように座り、膝を伸ばしたまま10秒程度キープします。慣れてきたら脚がまっすぐになるように伸ばし、足首を背屈させます。

○運動2:膝の曲げ伸ばし(膝関節の屈曲・伸展)
左右交互に10回、4カウントで膝を伸ばし、4カウントで膝を曲げます。

○運動3:ポールやタオル(クッション)を膝で挟む運動
膝の内側にポールまたはタオル(クッション)を挟みます。太ももの内側の筋肉を意識して4カウントで挟み、4カウントで緩めます。10回程度行ないましょう。

立位で行なう運動

○スクワット10回
足を肩幅程度に開いて立ち、つま先と膝の向きを合わせます。尻を後ろに引くようにしながら膝を曲げます。この時、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。4カウントで膝を曲げ、4カウントで伸ばします。10回を目安に行ないましょう。
※パランスがとれない場合は、手すりや椅子につかまって行ない、転倒しないように注意してください。膝の曲げすぎにも注意が必要です。

ストレッチ編

①膝の抱え込み 20秒×2セット
膝を両手で胸に引き寄せる
②腸腰筋のストレッチ 20秒×2セット
椅子から片足を後ろに引き、上体を起こす
③大腿四頭筋のストレッチ 20秒×2セット
椅子の上に膝をたて、つま先を片手で引き寄せる
④膝屈伸のストレッチ 20秒×2セット
片膝を組み、上体を前に倒す
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