介護を考える

住み慣れた家で 最期まで…
希望をかなえる 「在宅介護サービス」

訪問や通所など各種

「介護が必要になっても、生まれ育った家で最期まで過ごしたい」と願っている高齢者は、決して少なくありません。しかし、身の回りの世話をしてくれる家族や知人らがいなければ、容易に希望をかなえることはできません。また、家族による介護は、第三者が介入しないという安心感はあるものの、心身の負担などを考えると、長続きするのは大変です。そこで、お勧めしたいのが「在宅介護サービス」の活用です。

施設内に設けられた地域交流スペース。村民のサロンとしての役割が期待されている

在宅介護サービスには①訪問介護サービス(自宅訪問)②通所介護サービス(デイサービス)③短期入所介護サービス(ショートステイ)があります。ホームヘルパーが自宅を訪れ、食事や入浴などの日常生活の介助や援助をしてくれるのが訪問介護です。通所介護は、デイサーピス事業所に通い、日常生活の介助や理学療法などのリハビリを受けられるサービスです。また、「ショートステイ」の名で知られる短期入所介護は、家で世話をしている家族が仕事や旅行などで一時的に介護できないとき、有料老人ホームなどの施設に短期間(数日~1週間)入所し、必要な介護を受けるシステムです。

ケアマネジャーが頼り

必要とする在宅介護サービスは、要介護度や体調・家庭環境などによって異なります。どんなサービスを受けるのが一番よいか、本人や家族には分かりにくいと思います。そんなときに頼りになるのが、日ごろお世話になっているケアマネジャーです。

要支援や要介護者のケアプランを作成しているケアマネジャーは、担当する一人一人の容態や必要なサポートを把握しています。訪問介護や通所介護を組み合わせたり、医療ケアの必要な人なら訪問看護ステーションや訪問診療サーピスを利用したりと、その人に合った的確なプランを考えてくれますので、相談するとよいでしょう。

3つのサービス一体化

榛東村に初めて開設した小規模多機能型屋宅介護施設「しんとう十二前」。グループホームも併設している

「『介護サービスによって利用する施設が異なるので、ちょっぴり面倒くさい』という方には、小規模多機能型居宅介護の利用をお勧めします」と話すのは、医療法人健英会の副理事長、小中和子さんです。デイサービスを中心に、訪問介護・ショートステイの3つのサービス形態を一体化し、24時間切れ目なくサービスを提供するシステムで、県内各地にあります。

医療法人・健英会の小中副理事長(左)や「しんとう十二前」の職員たち

同医療法人が先月、榛東村新井にオープンした小規模多機能ホーム「しんとう十二前」も、同様の介護を行っています。管理者で介護支援専門員の吉田晴美さんによると、登録定員は29人で、1日あたりデイサーピスは18人、ショートステイは9人まで受け入れが可能だそうです。地城密着型サーピスの一つで、利用は原則として施設のある市区町村の住民に限られており、「在宅介護を必要とする村民の手助けをしていきたい」と吉田さん。

グループホーム(定員9人)を併設しているほか、地城交流スペースを設けて村民のサロンとしての役割も持たせている。「地域の皆さんと趣味を通した交流や介護、認知症予防のイベント、勉強会なども開いていきたい」と話す。

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