「脂質代謝異常」は特別な自覚症状がないため、治療の必要性を感じない人も多いようです。あなたはご自身のコレステロール値や中性脂肪の値をご存知ですか。昨年の健康診断の結果と見比べて、「今年は少し高いかな」と思いつつ、そのままにしていませんか。でも脂質代謝異常症は放っておくと動脈硬化を進行させ脳や心臓などの疾患につながることがあります。 予防と改善 「脂質代謝異常」 敵ではない 脂質は、体になくてはならない菫要な栄養素の一つです。血液中に含まれる脂質を血中脂質といい、主なものはコレステロールと中性脂肪です。コレステロールは細胞膜を構成する成分であり、ホルモンや胆汁酸などの原料にもなっています。また、中性脂肪は脂肪組織に蓄えられてエネルギー貯蔵庫としての役目や、皮下脂肪となって体温の保持や衝撃から体を守るクッションの役目を果たしています。通常、血中脂質は一定量に保たれるよう調節されています。 3つのタイプ 脂質代謝異常とは、体の中で脂質がうまく処理されなくなったり、食事から取る脂質が多すぎたりして、血中脂質が碁準値から外れる病気です。脂質代謝異常には、次の三つのタイプがあります。 高LDLコレステロール血症:LDLーコレステロールが多いタイプ 低HDLコレステロール血症:HDLーコレステロールが少ないタイプ 高中性脂肪血症:中性脂肪が多いタイプ 生活習慣の改善 脂質代謝異常症の危険因子の多くは、生活習慣を改善することで減らすことができます。食生活では中性脂肪やコレステロールを含む食品を減らすとともに、脂質のとり方にも注意する必要があります。また、運動には取りすぎたエネルギーを消費するとともに、LDL-コレステロールを減らして、HDL-コレステロールを増やす作用があります。適度な運動を習慣にすることが大切です。そして、喫煙者は、禁煙を実行することも大切です。 無理なく始める 現代の日本では、運動不足が深刻な問題となっていて、ある調査では4人に3人が運動不足を惑じています。運動不足が脂質代謝異常症の原因となっているケースも少なくありません。まずは、無理なくできることから始めていきましょう。 最適な有酸素運動 1日30分程度のウオーキングを週3日以上行うと効果的です。運動の強さは、ちょっときついけど続けられるという程度が良いとされています。 種類もたくさん 散歩、ウオーキング、軽いジョギング、サイクリング、水中歩行、アクアビクス、水泳など。 しかし、運動する時間が取れないという人も多いのではないでしょうか。そんな人は日常生活で行っている通勤や家事などの中で、運動量を増やすことも効果的です。エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を使う。買物で車を駐車場に止める時、少し遠くに停めて歩くなどちょっとしたことから意識的に取り入れてはいかがでしょうか。 焦らずコツコツ 有酸素運動は、十分な酸素と時間が必要となります。たとえ有酸素運動でも、張りきりすぎて呼吸が浅くなってしまうと酸素を取り込む量が減り、脂肪の燃焼効率がダウンしてしまいます。キッすぎない程度の有酸素運動を長時間続けることが、脂質代謝異常症の運動ポイントです。 運動を始めたからといって、すぐに血中の脂質レベルが低下するワケではありません。少なくとも数力月以上の定期的な運動が必要となります。焦らずコッコツと続けていくことが大切です。 当クラブ【ヴァレオプロ】では指定運動療法施設の認定を受けておりでは医療機関との連携はもちろん、健康運動指導士・管理栄養士が常駐しています。個々にあわせて目的にあった運動メニューの提供や栄養指導を行っています。安心で安全なトレーニングをサポートしています。