11月3日に開かれる第26回ぐんまマラソン(県、前橋市、高崎市、群馬陸上競技協会、上毛新聞社主催)。昨年からメーンレースがフルマラソンになり、県内外から約1万5000人のランナーの参加が見込まれる全国有数規模の大会となった。昨年の大会では、約2000人のポランティアスタッフが医療やコースの安全管理など円滑な大会運営を支えた。前橋赤十字病院初期研修医の山口亜梨紗さんは今回初めて参加するスタッフの一人で、救護所を担当する。大会当日は日ごろから心掛けている丁寧な対応でランナーを見守る。
自分に合った運動で
病気に負けない体を
向き合う
―医師を目指したのは小学生の頃。弟が入院した時に治療してくれた女性医師の姿にあこがれた。医学部進学のため、実家がある桐生市から前橋の高校に通った。努力が実って筑波大医学群医学類へ入学。昨年、前橋赤十字病院の初期研修医になり、ほぼ全部の診療科を回るスーパーローテート方式で経験を積んでいる。来年始まる後期臨床研修では、専門の診療科を選択して臨床医としての知識を高める。
弟を治療する女性医師がかっこいいなと思ったのが医師を目指すきっかけでした。どの診療科を選択するか迷っていますが、患者さんと向き合って治療する医師になりたいと思っています。
研修医は患者さんと接する機会が多いので、丁寧な言菓遣いを心掛けています。患者さんにとって身近な存在であるので病状など相談されることもあります。分からないことがあれば、研修医であることを理解してもらって、回答に時間をもらっています。指導医の先生に相談し、しっかりと調べて患者さんに正確な情報を伝えることが、私にとっても勉強になっています。
生涯スポーツ
―学ぶことが多く多忙な日々を送っているが食生活に気を使い、体を動かしたりして体調を整えている。大学生の時から始めたテニスは、ストレス解消にも役立っているようだ。
昼は院内の職員食堂で食事しています。タ食は遅くなってしまうことが多いので、炭水化物は控えめにして、サラダなど野菜を多く食べています。運動する時間を割けないのが悩みですが、自転車で通勤したり、院内では階段を使うように心掛けて、少しでも体を動かすようにしています。なかなか参加できないのですが、院内のテニス愛好会に所属しています。同期の男女4人でダブルスを組んで対戦しました。テニスは激しく戦うことも、話しながらラリーを楽しむこともできるので、生涯続けられるスポーツだと思っています。
入院中はベッド上で横になっていることが多いので、患者さんはすぐに筋力が衰えてしまいます。普段からスポーツを通して体力を養っておくと、病気になった時でも急激な体カの落ち込みを防ぐことができます。自分に合ったスポーツに挑戦してほしいですね。
大切な時期
―前橋赤十字病院は、前橋市内を中心に近くの市町村からも緊急患者を受けて入れている。初期研修医も専門的な緊急手術・緊急処置など切迫した場面で活躍している。
担当する診療科によって、仕事の内容が大きく変わります。患者さんの急変があった時は仕事が終わった後でも呼び出される時があります。麻酔科では気管挿管を多く経験しました。初めて患者さんを前にした時は少し緊張しましたが、今は落ち着いて対応できるようになりました。
さまざまなことを体験できる研修医は、医師として成長するための大切な時期です。今はできるだけ多くのことを指導医の先生から学んでいきたいと思っています。
―今回のぐんまマラソンが、院外で行う初めての救護活動となる。同僚の初期研修医3人とともに救護所を担当する。
ランナーの方には、水分補給と睡眠時間を十分に取って、無理をしないで走ってほしいです。十分に準備していても、当日の体調や天候によって思わぬけがや体調不良に陥ることがあります。そんな時は無理せずに救護所へ来てください。