県産食材を食べよう!
今月は下植木[しもうえき]ネギ
おいしい元気

血行を促進し “冷え”を解消

寒風の中、ネギの収穫が始まった。ネギ特有のにおいの素「アリシン」には、強い殺菌作用と鎮静効果に加え、疲労回復や血行をよくして身体を温める働きがある。本県特産の下仁田ネギによく似た下植木ネギ(伊勢崎市産)を使って、手軽にできるメニューを考えてみた。こまめにネギを摂取して、寒さや風邪を吹き飛ばそう。

ゆずみそかけ

エネルギー 68kcal
たんぱく質 2.0g
脂質 0.4g
食塩相当量 0.5g
材料(1人分)
下植木ネギ70g、だし汁100cc、みりん大さじ半分、白みそ大さじ半分、ユズ適宜
作り方
  1. ネギは3センチの長さでぶつ切りにする
  2. 耐熱容器にだし汁と切ったネギを入れ、ふんわりとラップをかけ、6分間レンジにかける(ネギが硬い場合は1分ずつ増やす)
  3. みそにみりんと(2)のだし汁を大さじ1加えて混ぜ合わせ、ネギにかける
メモ
  • コンソメ味で洋風にしてもOK
  • ネギをハムやベーコンで巻けば、ボリュームアップできる

みそ汁

エネルギー 41kcal
たんぱく質 2.3g
脂質 0.6g
食塩相当量 0.6g
材料(1人分)
下植木ネギ50g、だし汁130cc、みそ大さじ半分
作り方
  1. ネギはぶつ切りにする
  2. だし汁に(1)のネギを入れて煮る。みそで味を調える
メモ
  • ネギは煮ると甘みが増すので、シンプルにネギだけのうま味でじっくり味わってほしい

サラダ

エネルギー 42kcal
たんぱく質 1.2g
脂質 2.4g
食塩相当量 0.3g
材料(1人分)
長ネギ40g、小ネギ20g、いりごま1g、塩0.4g、ごま油1g
作り方
  1. 長ネギは縦半分にし、斜め薄切りにしたら水洗いし水気を切る。小ネギは3センチの長さに切る
  2. 塩、ごま油、長ネギを和える
  3. 最後にいりごまを振る
メモ
  • 湯豆腐やしゃぶしゃぶなどの肉、魚と一緒に食べてもおいしい
  • ネギの辛みが気になる場合は、サッと湯に通すとよい

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

甘味がたっぷり
鍋や煮物の具に

県産食材
下植木ネギ栽培 伊勢崎市
小林 洋さん(75)

伊勢崎市郊外の下植木地区。ここに200年以上も前から特産物として栽培が続けられてきた伝統野菜がある。地区の名を冠した「下植木ネギ」である。

白い根の部分は20センチ、緑色をした葉の部分は50センチほどの長さで、太いところは直径5センチと、全体的にずんぐりした形をしている。「一般的な細長いネギとは異なり、下仁田ネギによく似た形をしています」と小林さん。収穫期を迎えたネギ畑に立つと、土中から1本引き抜いて見せてくれた。

太い白根から薬が扇状に広がる様は、本当にそっくり。「熱を加えるとトロッとして甘みが出るので、鍋や煮物に向いています。この点も下仁田ネギと同じです。ぜひ食べ比べてみてください」と笑顔で話す。

▼大きく成長した下植木ネギを収穫する小林さん

保存や普及にも尽力

農家育ちの小林さんが本腰を入れてネギ栽培を始めたのは、勤めていた会社を定年退職してから。現在は「下植木ネギ研究会」の副会長を務め、普及にも尽力している。

同会は30年ほど前の1989年に発足。急速な都市化に伴う農家の減少などにより、下植木ネギの存在が危うくなったのがきっかけだった。市の特産農産物育成事業の助成を受けて、採種による系統選抜と形質保存を行うとともに、講習会や現地検討会などを開いて、甚本形の維持に努めている。

現在の会員は10人。協力し合いながら各人で栽培を行っており、栽培面積は合わせて80アールほどだという。発足時に比べて会員は減少し、高齢化も進んでいる。「後継者を育成しなければ、貴重な伝統野菜を失うことになりかねない」と危機感を募らせる。

ブランド名「権太夫[ごんだゆう]

小林さんは約10アールの畑で下植木ネギを栽培。毎年10月末に種をまき、翌年の6月に優良な株を定植する。成長を待って12月から1月にかけて収穫し、宅配便で直接顧客に送るほか、農協に出荷している。

▲小林さんら研究会のメンバー

「品種改良が行われていないので、夏の高温や連作に弱く、病害虫に気を付けなくてはいけません。特に温度が高く湿気が多いときは、軟腐病に要注意です」と小林さん。病害虫除けに毎年、ネギを植えた畝の間に麦をまいている。「成長した麦は地温を下げたり、病害虫を引き寄せてネギを守ったりしてくれます」。また、肥料に独自の工夫を重ねて、糖度アップや品質の向上に努めている。

今年から平均糖度20度以上、サイズが4段階で最大の3Lを甚準に厳選したネギを「権太夫」のブランド名で販売を始めた。「すき焼きや鍋物などに、会員ー同が自信をもっておすすめします」

*制作協力/群馬県農政部ぐんまブランド推進課

発行
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