元気流儀インタビュー

北関東最大級のゴスペルグル―プ「ゴスペル・ウイング・フェローシップ・クワイヤー」でディレクターを務めている。米国発祥のゴスペルは、奴隷制によって苦しめられた人々が心のよりどころを求めてロずさんだ黒人霊歌がルーツ。聖書を元にした明るい歌詞が生きる希望を与えた。歌を通して、日々のストレスに負けず、前向きに生きる素晴らしさを伝えている。

歌声を響かせ ストレスから解放

練習で全身を使って表現するメンバー。
笑顔が一番大切と指導するTAMAKIさん(左)

生き方を表現

―30年ほど前、米南部の教会で本場のグループが歌うビデオを見て、初めてゴスペルを知った。楽しそうに全身を揺らしたり、感極まって涙を流しながら歌う姿に心を打たれた。日本在住の黒人歌手、ラニー・ラッカーさんが1999年に前橋の教会で開いた教室をきっかけに、キャロル・ギャズデンさんら本場の歌手から本格的に学ぶようになった。信仰心のあつい彼らの心を深く理解するために黒人教会へ通った。

おおらかでいつも明るく他の人を支える彼らから、ゴスペルは単なる音楽ではなく、生き方を表しているのだと教わりました。つらいことがあってもポジティブな心を持つことで、ストレスから解放されました。「オーハッピーデイ」や「アメージンググレイス」が有名ですが、「ディス・リトル・ライト・オブ・マイン」も初心者におすすめです。心が洗われるような曲やカが湧いてくるような曲もあるので、いろんな曲を歌ってほしいです。

英語で壁なく

―ゴスペルの素晴らしさを群馬にも広めようと、2002年に「ゴスペル・ウイング・フェローシップ・クワイヤー」を立ち上げた。前橋、高崎、桐生、伊勢崎、玉村で教室を開いている。グループには小学6年生から60代後半までの幅広い年齢の80人が参加。親子3世代で参加しているメンバーもいる。TAMAKIさんの長女、果楠[かなん]さん(14)も一緒に歌っている。病院や福祉施設への訪問のほか、米軍横田基地などでも力強い歌声を披露する。14年にはニューヨークで開かれた本場のゴスペルイベントにも出演した。今年は歌で子育てを応援しようと、子ども虐待防止を訴えるオレンジリボン運動に参加。10月に伊勢崎で開いた15周年記念コンサートで啓発活動をした。

ゴスペルの面白いところはアレンジを加えられること。楽譜がないので、感情をストレートに表現できます。グループでは上手に歌うことを目的としていません。楽しく歌うことが大切です。歌声に自信がなくても大きな声で歌っていれば、自然と耳が慣れてくるので、やがて上達します。オリジナルの英語の歌詞を大切にしています。英語で歌えば、世界中の人に聞いてもらうことができます。英語で歌い続けるといい刺激になって洋楽に抵抗がなくなったというメンバーもいます。文化的な壁がなくなると楽しみも増えてくると思います。

親が健康の先生

川沿いや街並みを眺めて歩くのが好きで、散歩中にお気に入りの曲を聴くこともある

―両親の介護をきっかけに足腰を鍛えることの重要性を実感。犬の敵歩を兼ねて1時間ほどのウオーキングを1日2回している。さらに週末は1、2回ほど約3心歩いている。体の内側からの健康づくりにも気を使っている。ビタミンが多く取れるように、手絞りのグレープフルーツジュースを毎日欠かさず飲んでいるほか、料理にはズッキーニやパプリカ、トマトなどの緑黄色野菜を必ず取り入れるようにしている。

どんなに忙しくても、娘と私が職場に持って行くお弁当は手作りをしています。娘がお弁当を開けたときに「おいしそう!」と思ってもらえるように、彩りに気を使っています。足腰が強かった父譲りで、学生の時は陸上部で長距離マラソンに出場しました。今でも走ることや歩くことに抵抗はありません。母は魚や野菜中心の健康的な食事が好きです。二人のいいところを合わせて、健康を維持していきたいですね。

栄養と彩りを考えて緑黄色野菜を使ったお弁当
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