県産食材を食べよう!
今月はほうれん草
おいしい元気

「貧血」予防の 強~い味方に

冬を代表する野菜の一つ、ほうれん草。夏に出回るものより栄養価が高く、甘みも増す。ビタミンやカルシウムなどに加え、造血作用のある葉酸や鉄分といった独特の栄養素を含んでおり、摂取することによって貧血予防にも役立つ。旬のほうれん草を食べて元気回復―を願って、誰もが口にしやすいレシピを3点紹介する。

コロッケ

エネルギー 199kcal
たんぱく質 7.2g
脂質 10.2g
塩分相当量 1.0g
鉄分 1.3mg
葉酸 77μg
材料(1人分)
ほうれん草20g、ジャガイモ40g、ニンジン10g、タマネギ20g、ひき肉20g、塩1g、こしょう少々、油1.2g、スキムミルク小さじ1 、衣(小麦粉・卵・パン粉・揚げ油)適宜、サニーレタス10g、トマト20g
作り方
  1. ほうれん草をゆでて1センチくらいに切る。切ったジャガイモとニンジンは、塩を加えてゆでた後、丁寧につぶす
  2. みじん切りのタマネギとひき肉を炒め、塩とこしょうで調える
  3. 材料を混ぜ合わせたら、俵型にして衣をつけ、油で揚げる
メモ
  • ほうれん草の水気はしっかり取除く。スキムミルクの代わりに粉チーズでもよい
  • 残った肉じゃが、ひじきの煮物などを合わせてもOK

山かけ

エネルギー 82kcal
たんぱく質 4.0g
脂質 0.3g
塩分相当量 0.8g
鉄分 1.6mg
葉酸 134μg
材料(1人分)
ほうれん草60g、ヤマトイモ50g、麺つゆ大さじ半分、焼きのり0.2g
作り方
  1. ほうれん草は塩を入れたたっぷりの湯でゆでる
  2. 食べやすい大きさに切り、麺つゆをかける
  3. すりおろしたヤマトイモをかけ、のりを乗せる

スペイン風オムレツ

エネルギー 158kcal
たんぱく質 7.7g
脂質 11.0g
塩分相当量 1.1g
鉄分 1.5mg
葉酸 84μg
材料(1人分)
ほうれん草30g、ジャガイモ20g、ベーコン10g、卵40g、塩0.5g、こしょう少々、油小さじ1、バター小さじ半分、ケチャップ小さじ1
作り方
  1. ジャガイモは小さめのさいの目切りにした後、耐熱容器に入れてラップをし、500ワットのレンジ90秒間加熱する。ほうれん草はゆでて1センチくらいに切る
  2. 卵を溶き、塩・こしょうを振る。切ったベーコンと1を混ぜ合わせる
  3. 小さめのフライパンに油とバターを入れ、2を流し入れて箸でかき混ぜる。半熟状になったら弱火にしてふたをし、中まで火を通す
  4. 皿などをうまく使い、卵を裏返して焼く。切り分けてケチャップを添える
メモ
  • 具材はお好みですが、水分が多いものはよく水気を切る
  • だし汁や生クリーム、豆乳などを加え、いり卵でもOK

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

9ヘクタールを作付け 露地栽培貫く

県産食材
ほうれん草栽培 昭和町
臼木 英幸さん(42)

赤城山北麓のなだらかな傾斜地に続くほうれん草畑。遮るものがなく、180度のパノラマが眼下に広がる。遠く冠雪した上越国境の山々が、寒々と横たわる。

「眺めは素晴らしいのですが、冬の作業は正直つらいです」。臼木さんの吐く息がうっすらと白い。露地栽培の収穫が大詰めを迎え、両親や中国からの実習生5人とともに連日、早朝から作業に当たっている。

右手に鎌を持ち、左手でほうれん草の茎の部分をつかみ、根元から1株ずつ丁寧に切り取り、コンテナに入れていく。根から薬先まで25~28センチが理想的な長さ。「夏場に比べて成長は遅いですね」と臼木さん。それでも収穫量は、多い時で1日800キロにもなるという。

▲寒風の中、ほうれん草の収穫作業に精を出す臼木さん

3代目として後継<

畑は戦後の開拓地で、祖父が森や野原を切り開いて作った汗の結晶である。高校を卒業後、村役場に就職した臼木さんは、農業を継ぐ気はあまりなかった。しかし、祖父から受け継いだ畑で懸命に野菜を作る両親の背中を見て、次第に気持ちが変わっていった。

25歳を過ぎたころ、「長男である自分が継がなかったら、きれいに整備された畑地を生かすことができず、祖父や父の努力を無にすることになってしまう」と考え、3代目として継ぐ決心をしたという。

昼と夜の寒暖の差が大きい昭和村は、霧が発生しやすく野菜の栽培に適している。「野菜王国」といわれるゆえんである。中でもほうれん草は、1年を通じて計画的に作付けできることから、かんがい施設の整備によって急速に栽培が普及し、今では野菜の作付面積の半分以上を占めるようになった。

高品質のもの食卓に

▲赤城山北麓の傾斜地に広がるほうれん草畑

臼木さんは露地栽培を踏襲し、作付面積は年間9ヘクタールに上る。2月から種まきを開始し、1月初旬の最後の収穫まで、場所をかえ種まきと収穫を繰り返す。この間、連作障害の防止にトウモロコシと白小豆を栽培している。

「この辺りは水はけの良い火山灰土質なので、ほうれん草に合っています」と臼木さん。ただし傾斜地のため、雨が多い季節は土嬢が流され、種まきができなかったり、発芽しても育たなかったりと、悩みは尽きない。べと病によって広範囲の畑で収穫できなくなることもあった。「高品質のものを食卓に届けるためには、気を抜けません」

収穫後は、自宅に隣接の作業所で袋詰めして、主に首都圏の大手スーパーに出荷している。「冬が近づくと甘味が増して、一段とおいしくなります」と臼木さん。お浸しのようなシンプルな食べ方が一番好きだという。

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