アルペンスキーや総合技術を競い合う全日本スキー技術選手権大会を舞台に日本スキー界のトップで活躍後、みなかみ町のスキー教室の校長に就任した沖聖子さん。競技生活で培った高度な技術とともに雪山を自由に滑る楽しさを伝えている。昨年3月に長女の愛[まな]ちゃんを出産。仕事と育児の両立を図りながら、充実した毎日を送っている。
育児も仕事も
自然の力で楽しく
食は人生の選択肢
―競技生活を引退した2012年、新たなスキー人生のスタートの場として、生まれ育った北海道のように銀世界が広がるみなかみ町に移住し、スキースクールの校長に就任した。地元の野菜をはじめ、豊かな自然の恵みを感じながら子育てをしている。
みなかみに住んで5年目になります。自然が豊かで夏場はラフティングも楽しんでいます。群馬に来て良かった点の一つは取れたての野菜が食べられることです。キュウリやトマトも他の場所で食べるよりもみずみずしさが違います。手作りのこんにゃくもおいしいですね。大学生の頃はファストフードやお酒を飲む機会も多く、健康や体作りを意識して食べる機会は少なかったのですが、大好きなハワイの文化から「食べることは生きること」という言薬を学んだことをきっかけに変わりました。
食事は毎日3回ある人生の選択肢です。完璧な食生活を送るのは難しいですが、80%を目指そうと心掛けています。特に季節のものを食べることが大切だと思います。加工食品の多い食事に慣れてしまうと、素材の味を感じ取れずに塩分の多い食生活になってしまうと思います。食生活の基礎となるしっかりとした味覚を育てるのは、小さいころが大切だと感じています。娘が生まれてから、特に食に気を付けるようになりました。だしにこだわったり、自家製みそを作っています。
ヨガで産後の体作り
―トレーニングやけが予防のためにヨガを始めた。ニューヨークで本格的にヨガを学び、15年に全米ヨガアライアンス認定資格を取得した。初めての出産の後、アスリートとしての身体バランスを取り戻すにもヨガが役に立った。
子育てと仕事で忙しいですが、毎日時間を見つけてヨガをしています。スクールの同僚と一緒にヨガをして気分転換する時もあります。仕事前に呼吸を整えて自然のカを感じながらポーズをとると、目が覚めて体も軽くなるのでお勧めです。娘を出産した後は心身ともに劇的に変化しました。仕事に復帰する前にヨガで体のゆがみを改善しました。徐々に体が整っていくのを実感しました。昨年11月上旬に北海道に帰省した際、今シーズン初のスキーを家族一緒にしたのですが、以前と変わらず楽しんで滑ることができました。
親子3世代で滑りたい
―「スキーの楽しさ」「銀世界が広がる雄大な自然」 「心の通った親子のふれあい」といったゲレンデで体験できる感動を多くの人たちに伝えようと活動している。スクールは子育て中のスタッフを応援する体制が整っているので、愛ちゃんと一緒に出勤。他の子育て中のスタッフらと協力しながら、職場でも子育てをしている。夫の勇也さんの支えもあり、多忙なシーズン中でも家族との時間を大切にしている。
目の届くところに子供がいるので安心して働けます。とてもありがたい環境だと思っています。スキーは年齢に関係なく楽しめるスボーツなので、ゲレンデでも4世代で楽しんでいる生徒もいます。娘も3、4年すればスキーができるようになるので、今から両親と親子3世代で滑るのが楽しみですね。スキーは敷居が高いと思っている人も多いと思いますが、レンタルスキーも良くなっているので、手ぶらでも十分遊べるようになりました。気軽に来てもらいたいと思います。昔のスキーブームの頃に滑っていた人も時間に余裕ができて、再びゲレンデに来るようになりました。昔の板と現在の板の特性はだいぶ変わっているので、久しぶりに滑る人は教室で感覚をつかんで、安全にスキーを楽しんでほしいです。