恵まれた自然環境と中心市街地の利便性を兼ね備えた新しいタイプの介護施設が、伊勢崎市平和町にある。医療法人原会が運営する高齢者複合施設「銘仙の家」で、介護付有料老人ホームなど4事業所を併設し、医療法人ならではのサービスを提供して、入居者らの生活と健康、安心を支えている。
住み慣れた町で
最期まで
恵まれた立地条件
JR両毛線伊勢崎駅、東武伊勢崎線伊勢崎駅からともに徒歩15分という、町なかの恵まれた場所に位囲する銘仙の家。道を隔てた正面に伊勢崎工業高校、近くにはショッピングモールもある。
「長年住み慣れた町(地域)で、大きな環境の変化や生活習慣を変えることなく安心して毎日を過ごせると、利用者にとても好評です」と、施設長の井上恵美子さんは話す。
9年前のオープン当初から介護付有料老人ホームのほかに、ショートハウス・デイサービス・グループホームを併設しており、利用者の大半は地域の在住者や市内で長く暮らしていた人たちだという。
リハビリ支援が充実
「当施設の一番の特長は、リハビリテーションサービスが充実していることです」と井上さん。理学療法士2人、作業療法士4人を中心に、施設の利用者にリハビリサービスを提供し、日常生活を営むために必要な心身の機能回復や筋カアップを図れるよう努めている。
定員51床の有料老人ホームは、各種サービスに加え、入居時の一時金や権利金が不要とあって、ほぼ満床の人気ぶり。全室個室で20平方メートルと広く、トイレや洗面所も付いている。「介護保険認定者なら誰でも入居できます」と井上さん。胃ろうや人工透析などの医療が必要な人も対応可能で、看取り介設も行っており、「余生を最期まで過ごせる安心の施設です」と話す。
スタッフも理学・作業療法士のみならず、看随師や介護福祉士・箇科衛生士・アロマセラピストなど総勢70人余りを数える充実ぶりで、あらゆる場面で入居者を支えている。また、一人一人に合ったお世話ができるのも、ケアマネージャーの村上敬さんらが作成するケアプランのおかげだ。ショートハウス(定員20床)やデイサービス(同55人)も人気がある。スタッフが見守る中、障害があっても少しも気にせず、手芸や書道など趣味の活動に打ち込む利用者のひたむきな姿が毎日見受けられる。
足湯やアロマの香り
2階のリハビリテーション室には、4種類の筋トレマシンや1人用の足湯(3台)、ウオーターベッドなどが備えられている。「一人一人にリハビリテーション計画書を作成し、作業活動や歩行錬習などを行います」と、作業療法士の森田貞子さん。部屋の隅には「アロマセラピー」のコーナーもある。足湯やアロマの香りによってリラックスすることで、痛みの緩和や不眠症などに効果があるのだという。
平行棒を使って歩行訓練をしている磯部瑞[みつ]さん(88)は、骨折した脚の手術を受けた後、4カ月前に有料老人ホームに入居した。「ここに来てリハビリを受け、歩けるようになりました」とうれしそう。「わが家のように居心地がいいので、最期までお世話になるつもりです」と笑顔で話していた。
同施設は入居希望者のために、土・日曜も見学に応じている。