ロコモティブ シンドロームを 「ロコトレ」で 予防しよう ロコモティブシンドロームとは ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こることにより「立つ」、「歩く」といった移動機能が低下し、要介護のリスクが高まった状態のことを指します(2007年に日本整形外科学会が提唱)。 要支援要介護に認定された原因の約25%は「運動器障害」によるものです。(図1)「運動器障害」により、身体機能低下→ADL(最低限必要とされる日常動作)制限→自立度低下→ 寝たきり→要介護状態となってしまいます。健康寿命を延伸させるためには、早期から健康な運動器を維持し、ロコモを予防することが大切です。 運動器とは 運動器とは、骨・関節・軟骨・椎間板・脊椎・脊髄・靭帯・腱・筋肉など、人体を支え動かす為に必要不可欠な器官であり、どれか一つが欠けては、成り立つことができません。運動器の障害の原因は、「運動器自体の疾患」と「加齢による機能不全」が考えられます。「運動器自体の疾患」は、変形性膝関節症・骨粗鬆症・脊柱管狭窄症などの筋骨格運動器の疾患を指します。これにより、関節の可動域制限や痛みなどの影響がでます。 「加齢による機能不全」としては、体カ・持久カ・筋力などが低下し、運動不足や活動量が低下するため、身体機能が低下し、機能不全を引き起こす原因となります。そのため、運動器を日頃からバランスよく刺激し、健康に保つ事が大切です。 なりやすい人は 運動器障害は、徐々に進行します。骨量や筋カのピークは男女共に20~30代です。加齢と共に男性は60代、女性は40~50代から減少傾向となります。骨や筋肉は、適度な運動や活動的な日常生活を送ることで刺激されます。まずは、生活習慣を見直してみましょう。「腰や膝が痛い」といった運動器疾患の予兆を放置してしまうと、のちに重篤化する可能性があるので、早くから対処するようにしましょう。 体型も重要となります。メタボリックシンドロームの人は、体重過多により膝や腰に負担がかかります。痩せ型の人も栄養が偏り、筋肉や骨の量が減少してしまいロコモの原因となります。 ロコモティブシンドロームを予防する体操 ロ コ ト レ ①バランス能力をアップ「片足立ち」 転倒の危険が無いよう、どこかにつかまりながら行います。姿勢を真っ直ぐに保ち、片足を軽く持ち上げ、バランスを取ります。【左右1分問を目安に、1日3回チャレンジしてみましょう】 【さらにプラス】ふくらはぎを引き締めて歩行能カアップ「ヒールレイズ」→足を肩幅程度に開き、バランスを取りながら、かかとを引き上げます。膝の間にボールを挟むことで、安定しやすくなります。【10~15回を目安に、1日2回チャレンジしてみましょう】 ②肢筋力をアップ「スクワット」 足を同幅より少し広めに開き、お尻を後ろに引くように、ゆっくりと腰を落とします。この時に、膝はつま先より前に出ないようにし、つま先と同じ方向を向くようにします。バランスが不安な人は、後ろに椅子を置いて、立ち上がりを繰り返してみましょう。【7-10回を目安に、1日3回チャレンジしてみましょう】 【さらにプラス】下肢筋力+バランス能カアップ「ランジスクワット」→足を前後に大きく開き、太ももが水平になる位置まで、ゆっくりと腰を落とします。この時に、膝はつま先より前に出ないようにし、上体はおなかを引き締め、胸を張ります。バランスが不安な人は、壁などにつかまりながら行ってみましょう。【5-7回を目安に、1日2回チャレンジしてみましょう】