県産食材を食べよう!
今月はフルーツニンジン
おいしい元気

カロテン豊富
“美肌”効果も

ニンジンに豊富に含まれるβ-カロテンは、小腸でビタミンAに変わり、紫外線の害から身体を守り、肌に潤いを与えてくれる働きがある。不足すると感染症にかかりやすくなるので要注意だ。そこでニンジンを使った料理を紹介しよう。材料に選んだフルーツニンジンは特有の臭みがなく、甘みが強いので、少々苦手なひとでも食べやすいはずだ。

フルーツニンジンのバーニャソース

エネルギー 188kcal
たんぱく質 8.8g
脂質 10.9g
塩分相当量 2.7g
材料(1人分)
フルーツニンジン100g、アスパラガス30g、ブロッコリー30g、オリーブ油小さじ1、バーニャソース(アンチョビ・ニンニク・オリーブオイル)適宜
作り方
  1. ニンジンを縦半分に切りソテーする
  2. アスパラガス、ブロッコリーはゆでて軽くソテーする
  3. バーニャソースは、ニンニクを牛乳で15分くらいゆで、フードプロセッサーでアンチョビとオリーブオイルと一緒にペーストする
メモ
  • ソースにお好みでチーズや生クリームを加えてもOK

彩りニンジンの海鮮パスタ風

エネルギー 398kcal
たんぱく質 14.7g
脂質 28.0g
塩分相当量 2.4g
材料(1人分)
フルーツニンジン200g、エビ20g、イカ20g、ホタテ20g、アスパラガス30g、オリーブオイル大さじ1、生クリーム30cc、バター小さじ半分、塩・こしょう
作り方
  1. ニンジンはスライスし、パスタ風に3ミリ幅にカットする。それぞれソテーし、塩・こしょうする
  2. エビ、イカ、ホタテは1センチ角、アスパラは1センチの長さに切る。パセリはみじん切り
  3. 海鮮をソテーし、生クリーム、バター、塩・こしようで味を調える
メモ
  • 色よく仕上げるには、それぞれニンジンをソテーするのがポイント(一緒にすると全部紫色になってしまう)

牛肉巻き

エネルギー 251kcal
たんぱく質 18.2g
脂質 12.7g
塩分相当量 1.0g
材料(1人分)
フルーツニンジン50g、牛肉80g、油小さじ1、片栗粉適宜、しょうゆ・みりん・酒各小さじ1、サニーレタス20g
作り方
  1. ニンジンは10センチの長さの鉛筆大にカットし、ゆでる
  2. ニンジンを肉で巻き、片栗粉を付けて焼く。混ぜ合わせた調味料を加え肉にからめる
  3. 食べやすい大きさに切り、レタスとともに皿に盛りつける
メモ
  • 肉は焼きすぎると硬くなるので、8割ほど焼いたら調味料を加えて仕上げる

*料理協力/ららん藤岡 ファミリーダイニングらん蘭

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

彩りと甘さが特色
6次産業化に意欲

県産食材
二ンジン栽培 藤岡市
田村 良一さん(65)

国指定史跡の七輿山古墳から南に800メートルほどの田園地帯に広がるニンジン畑。収穫機械を巧みに操作し、大きく育ったニンジンを掘り出す田村さんの日焼けした顔に、精気がみなぎる。

「機械化が進んでいるので、腰への負担がだいぶ楽になりました」と田村さん。痛めた腰をかばいながら、収穫作業を続けてきた。「3月いっぱいで終了となります」と、少しホッとした様子。

栽培しているのは、県内でも珍しいフルーツニンジン。長さが16~27センチと小ぶりで、ホワイト、イエロー、オレンジ、パープル、ダークパープルの5色あり、豊かな色合いが特色。生食を“売り”にしており、サラダなどへの彩り効果が注目されて、徐々に人気が高まっている。

▲フルーツニンジンの収穫作業に精を出す田村さん(右)

定年後に一念発起

農家の長男に生まれながらサラリーマン生活を送ってきた田村さんが、農業に本腰を入れ始めたのは、勤めを定年退職した60歳から。知人のアドバイスを受け、従来の米麦をやめて野菜の栽培に主力を置くことにした。

「四季を通して出荷ができるように、栽培品目を選びました」。ニンジンのほか、ナス、カリフラワー、ジャガイモ、ラディッシュなどを手掛けている。

主力のニンジンは栽培面積が80アールで、8月下旬から9月上旬にかけて種まきし、収穫は11月から翌年の3月まで4カ月間続く。土から掘り出したニンジンは、へたの部分をきれいに切り落とし、水洗いした後、長さによって選別機でSSからLLまで5段階に分けて袋詰めし、地元の直売所やスーパーとともに、JAを通して首都圏にも出荷している。

「細かな作業が多いので、従業員と3人のパートさんの手を借りてこなしています」

人気の100%ジュース

▲5段階の選別も機械化でスピードアップ

フルーツニンジンは、従来のニンジンと違って特有の臭みが少なく、苦手な人でも食べやすい。しかも、色の濃いパープルやダークパープルは甘みが強く、ジュースにしても飲みやすい。

そこに目を付けた田村さんは、古墳の名前を借りて「ななこしフルーツ人参ジュース」のブランド名で委託製造し、販売している。「紫色のニンジンにはアントシアニンが多量に含まれています。フルーツ人参だけの100%ジュースなので、健康志向や美容意識の高い人にとても喜ばれています」

加工品はジュースのほか、ジャムやピクルスを作っていたが、現在は開発中の漬物に力を入れている。「歯ごたえと甘さが、とてもマッチしています」と田村さん。昨年、株式会社「アグリッパー21」を立ち上けた。6次産業化に向けて着々と準備を進めている。

発行
上毛新聞社営業局「元気+らいふ」編集室
FAX.
027-254-9904