腰痛は 「ストレッチ」で 予防しよう 腰痛について 腰痛はさまざまな原因で発症するため腰痛経験のある人は多いのではないでしようか。平成22年国民生活基礎調査では、日本人男性では第1位、女性では第2位を占めています。一般に腰痛症とよくいわれることもありますが、そこには病態や疾患が隠れていることもあります。腰痛には急性腰痛(発症から4週間未満)、亜急性腰痛(発症から4週間以上3カ月未満)、慢性腰痛(発症から3カ月以上)があり、原因の明らかな腰痛(腫瘍・感染・外傷など)と、明らかでない非特異的腰痛があります(腰痛診療ガイドライン2012より)。 腰痛になりやすい人 腰痛になりやすい人は、姿勢不良や運動不足などが多くを占めているともいわれます。予防には座位や立位・歩行において良い姿勢を保つこと、適度な運動を行い筋力や柔軟性を高めておく必要があります。定期的にストレッチや筋力トレーニングを行うことで筋力や可動性が向上し、予防や再発防止が期待できます。 ストレッチを日常的に行うと次のような効果が期待できます。 柔軟性やバランス感覚を高めることで、けがを負うリスクを軽減。 筋肉のバランスをとることで骨格のアライメントを整え、姿勢を改善・矯正。 柔軟性・可動性が改善されると座る・歩く・立つなどの基本動作が楽に。 ストレッチの効果(英国医師会;腰痛・頚部痛ガイドより) 腰痛防止のストレッチプログラム バックエクステンション(体幹伸展・立位) つま先をまっすぐ前に伸ばし、足を肩幅に広げて立つ。腰部に手を当て、深く息を吸います。 ゆっくり息を吐きつつ、腰部に手を当てバランスをとりながら腰を後ろに反ります。 開始位置に戻り、指定の回数だけ①~②を繰り返します。10回×1セット、3秒間キープ。 キャット&キャメル 四つんばいになり、肩の真下に手をつき、指を前に伸ばす。膝関節は股関節の真下に来るようにします。 背部を丸めて、腹部をへこませます。頭部が床に向かって垂れている状態にし、その状態を10秒間キープします。 スムーズな動きを意識しながら、臀部[でんぶ]を持ち上げ、脊椎を下向きにカーブさせ、顔を上げてまっすぐ前を見ます。開始位置に戻り、指定の回数だけ①~③を繰り返します。 ウエストツイスト 頭部の下にたたんだタオルを置き、あおむけになります。体の力を抜き、上半身との角度が90度になるよう両腕を広げ、足をそろえます。 上背部全体をマットに付け、右膝関節を屈曲し、左脚の外側方向へ倒していきます。左手を膝関節に添えて力を加えることでストレッチ効果を上げます。左脚も同じ方向に向けます。その状態を10秒間キープしてから開始位置に戻り、反対側の脚も同様に行います。左右交互2回×1セット、10秒間キープ。 トランクローテーション(体幹回旋運動) 椅子に座り、背筋を伸ばし、胸の前で両腕をクロスさせる。深く息を吸います。 息をゆっくり吐きながら、体をゆっくり右にひねります(可能な限り)。その状態を10秒間キープします。 反対側も同様にひねります(可能な限り)。その状態を10秒間キープしてから、開始位置に戻ります。左右交互2回×1セット、10秒間キープ。