ヘルスアップ
(健康増進)の
すすめ
疾病にならない
♥
疾病を悪化させない
♥
疾病を再発させない
疾病や病気の予防に運動は有効です。さまざまな疾患にその有効性が判明してきました。図1は疾病と歩行数、運動強度の関係を長い時間をかけて研究された貴重なデータに基づいて作成されました。運動を日々行いながら「疾病にならない」「疾病を悪化させない」「疾病を再発させない」の3つの「ならない予防」を日常生活の中で意識し、適切な運動を継続的に行うことがへルスアップにとって大切です。
横軸が1日の歩数で、縦軸に運動の強さを表しています。「認知症・心疾患・脳卒中」の予防には1日5,000歩を歩き、そのうち「やや汗をかく中強度の運動」を7.5分以上行うことが効果的です。次に「高血圧・糖尿病」予防には8,000歩、中強度の運動20分以上が大切です。
仕事がデスクワークの人や主婦は3,000歩以下が多いので、まずは自分の1週間の歩数を活量計やスマホで測定してみましよう。およそ10分=1,000歩ですので、「うつ予防4,000歩、5分以上」から始めて、生活のペースを作りながら運動量を増やすことが長続きへの近道です。
「中強度の運動」は「乳酸閾値[いきち]」という運動状態のことで、40代は120拍/分、50代は115拍/分、60代は110拍/分、70代は105拍/分、80代は100拍/分が一般的に相当しますが、服薬状態や体力、安静時の心拍数などによって、それぞれの目標心拍数が異なることがあります。詳しくは健康運動指導士に相談してください。
この「乳酸闘値」は、体内の糖質や脂肪が酸素とともに消費される「有酸素運動」として非常に重要な強さです。運動の際の指標にして生活に取り入れましょう。