介護を考える

まちなかで セカンドライフ
10階建てビルに 「サ高住」開設

4月にオープンした多機能型住居「オアシス高崎」。5~6階にサ高住が入っている

市街地に多機能型住居

各種福祉施設や市営住宅などが同居する全国でも珍しい多機能型住居が、高崎市田町に完成し、4月にオープンしました。市有地に民間事業者の医療法人山崎会が建設した10階建てのビル「オアシス高崎」です。

1階はシルバーセンター田町、2階は子育てなんでもセンターが入居。3~4階は特別養護老人ホームとショートステイ、5~6階はサービス付き高齢者向け住宅(通称・サ高住)が入っています。7階から上は、若手の保育士や看護師といった市の福祉向上に必要な人材や学生向けの住宅(68戸)が整備されています。

市の中心部に誕生したこのビルは、高齢者と若者の交流やまちなかのにぎわい創出、子育て支援の拠点、市街地への若者居住促進など、さまざまな役割が期待されています。

多世代間交流が可能

ホテルのような落ち着いた雰囲気の食堂。調理コーナーもある

5~6階のサ高住「オアシス」は、医療法人山崎会が運営しています。すべて個室で各階に16室、合わせて32室を設け、「快適な環境で安心したセカンドライフ」をキャッチフレーズに入居希望者を募っています。入居条件は、自立から要介護1までの60歳以上の人です。

「オアシス」の最大の特色は、まちなかという立地条件と多世代間交流が可能な複合施設内にあるというアとです。近くに商店街や老舗デパート・市立図書館・群馬音楽センターなどがあり、入居者は気軽にショッピングや読書・趣味などを楽しむことができます。また、1階の市が運営するシルバーセンターに設けられた広い風呂を無料で利用したり、同センターのホールで計画されているさまざまな講座やイベントなどに参加したりすることもできます。

入居者にとって、魅力はほかにもたくさんあります。管理者の中島基彰さんによると、医療法人が経営しているので、日々の健康管理や必要時の通院、急な体調不良の際にも、系列病院を受診できるので安心です。さらに24時間365日、職員が常駐して見回り支援を行い、安全を確保しています。

栄養バランスを考え、季節の食材を使った食事(1日3食)の提供も、入居者の楽しみのひとつです。食堂には調理コーナーがありますが、「ご自分で料理する人は、現在のところいません」と、介護福祉士の神澤恵実さんは、その人気ぶりを話しています。

宿泊体験を受け付け

介護者と一緒に入れる広めのお風呂

個室にはトイレと洗面台を完備。さらに各階に、2つの風呂(1人用)があります。広い風呂に浸かりたい人は、1階のシルバーセンターの浴場がおすすめです。ここで近隣の人たちとの交流が生まれたり、会話を楽しんだりできます。また、ホールでは日曜日を除いて毎日、体操やストレッチ・健康相談・レクリエーション的なことをやっています。同センターの山口百代館長は「ぜひ気軽に参加してください」と呼び掛けています。

2階の子育てなんでもセンターでは、子育て中の人や妊婦さんを対象に、さまざまな相談業務や支援を行っているほか、託児ルームや交流プレイルームを設置しています。7~10階に住む学生や若い人たちを含め、子どもからお年寄りまで多世代が同じビルに同居する魅力あふれる環境は、注目の的となっています。


管理者の中島さん(左)と介護福祉士の神澤さん

「ここのサ高住で生活していると、いろいろな人たちからたくさんの刺激を受けるので、入居者はますます元気になると思います」と中島さん。現在、1泊8,000円(食事付き)で宿泊体験を行っているので、興味のある人は問い合わせてみてください。

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