県産食材を食べよう!
今月はゴボウ
おいしい元気

十分にかんで
全身を活性化

食物繊維が豊富なゴボウは、血糖値の上昇を抑制するだけでなく、腸内環境を整える効果の高い野菜として知られている。食べる際は、よくかむことで血流が増加し、全身の活性化も促してくれる。やわらかい食品に慣れている現代人だが、ゴボウ料理を通してかむ回数を増やし、顔の筋肉トレーニングや血流アップを図ってみてはいかがだろう。

ごま酢煮

エネルギー 49kcal
たんぱく質 1.3g
脂質 0.6g
塩分相当量 0.4g
食物繊維 3.0g
材料(1人分)
ゴボウ50g、だし汁大さじ1、しょうゆ小さじ半分、砂糖1g、みりん1.5g、酢1.5g、唐辛子適宜、すりごま1g
作り方
  1. ゴボウを5cmほどの長さにし、半分か4等分に切る
  2. 調味料でゴボウを煮汁がなくなるまで煮る。最後にごまを振る

ごぼ天

エネルギー 115kcal
たんぱく質 1.6g
脂質 6.2g
塩分相当量 0g
材料(1人分)
ゴボウ60g、天ぷら粉6g、揚げ油適宜
作り方
  1. ゴボウは5cmの長さに切り、さらに5mmほどの太さに切る
  2. 天ぷらの衣と混ぜ合わせる
  3. 油で揚げる(180℃)
メモ
  • ゴボウは揚げることで甘みと香りが引き立つので、揚げたまま食べてもおいしいが、好みに合わせて塩を振ってもよい

おひたし

エネルギー 38kcal
たんぱく質 1.9g
脂質 0.1g
塩分相当量 0.6g
食物繊維 2.7g
材料(1人分)
ゴボウ30g、ニンジン10g、小松菜40g、麺つゆ小さじ1、削り節0.5g
作り方
  1. ゴボウとニンジンは千切りにして耐熱容器に入れ、だし汁とみりんを加え、ラップをして電子レンジに2~3分かける
  2. 小松菜はゆでて5cmの長さに切る
  3. 材料を麺つゆで和え、削り節を振る
メモ
  • ホウレンソウやインゲンのおひたし、ごま和えなどにもゴボウはよく合う

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

香り強くやわらか
ブランド化を推進

県産食材
ゴボウ栽培 伊勢崎市
田部井 靖さん(52)

利根川と広瀬川の合流地点から北に200mほどの田園地帯に広がるゴボウ畑。収穫期を迎え、青々とした大きな葉が辺り一面を覆っている。葉は直径が50cm、茎の長さは80cm~1mもある。

葉や茎を刈り取って土がむき出しになった場所を、田部井さん運転のハーベスター(収穫機)が、地中深く延びたゴボウを引き抜きながらゆっくりと前進していく。

「手作業で収穫していた時代に比べれば、ずいぶん楽になりました」と田部井さん。地表に次々と姿を現したゴボウは、長さが1m以上ある。それらをパート従業員が泥の付いたまま軽トラックに載せ、選別機のある作業小屋へ運ぶ。

▼ハーベスターを運転して、土の中に育ったゴボウを収穫する田部井さん

糖度は16度以上に

田部井さんが栽培しているのは、伊勢崎産のオリジナルブランド「京香」が中心。伊勢崎 市「農&食」戦略会議のゴボウ部会が、糖度16度以上の甘みを品質基準として3年前から生産を始めた夏ゴボウで、香りが強くやわらかで、ゴボウらしい風味を堪能できるのが特長。

ゴボウ部会長を務める田部井さんは、知名度アップと消費拡大に向けて、率先して栽培に取り組む。作付面積は2haで、「京香」に加えて、糖度がさらに高いもう一つのオリジナルブランド「甘久郎」なども手掛けている。

夏ゴボウの「京香」は、前年の10月に種をまき6~7月に収穫。秋ゴボウの「甘久郎」は、 4月に種まきして10月ごろ収穫を迎える。「連作障害を避けてネギ、ホウレンソウ、大根を計画的に作付けする輪作を行っています」と田部井さん。ネギの定植や草刈りなどの作業と重なり、当分は忙しい日々が続く。

栽培に適した土壌

▲選別機を使って3Lから2Sまで8段階に分け、袋詰めして出荷

「品質向上や収量アップなど目的を持って取り組めば、とてもやりがいがあります」。大学を卒業後、農業後継者として家業を継いだ田部井さんは、その理由をこう語る。かつては養蚕農家だったが、父親がいち早く野菜の栽培に転換した。「この辺りは川が運んできた沖積土のおかげで水はけがよく、ゴボウ栽培にはとても適しています」

就農から30年になるが「農業は天候などさまざまな要因に左右されやすく、何年やっても1年生です」と謙虚だ。しかし、探求心は旺盛で、自分で肥料用の草を栽培するなど、土作りに独自の工夫を凝らしている。

収穫した自慢のゴボウは、選別機にかけた後、袋詰めして群馬中央青果などに出荷している。7月20日まで部会主催の「ごぼ天フェア」を開催中。「市内の直売所や飲食店などで、新鮮なゴボウを使った天ぶらやキンピラ、パスタなどが食べられます。ぜひ味わってみてください」と田部井さんは笑顔で話した。

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