元気流儀インタビュー

子どもの頃から親しんできた踊りの世界だった。突然の腰痛が人生の楽しみに影を差した。ピラティスと出合って、体の根本を改善する方法を学ぶことによって、以前よりも活動的になり心まで明るくなった。高崎市に古民家を改装したスタジオを設け、日常生活の中で生じる体の歪[ゆが]みを解消して、前向きに生きる姿勢を伝えている。


体の芯を意識して 心も整える

悩みに合わせ鍛える

―母方の祖父母が住んでいた築80年の古民家にスタジオを開き、今年で14年目になる。ピラティスを中心にヨガなど、さまざまなエクササイズを取り入れて、体を芯から鍛えて生活の質を高める方法を伝えている。

ピラティスは元々、ドイツ人の看護師が負傷兵のリハビリのために考案したプログラムです。ヨガと似ているように思う人もいますが、腹式呼吸を意識するヨガと異なり、胸式呼吸で交感神経に働きかけるところが特徴です。ピラティスとヨガは得意とする分野も異なるので、私はピラティスを中心に、ヨガの要素を取り入れたボディーキーとマスターストレッチというエクササイズにも取り組んでいます。受講生の体の悩みもそれぞれ異なるので、それぞれ合ったメニューをコーディネートしています。

日常の歪みを直す

「トラペツ」を使う伊佐山さん。 ばねの力で体への負担が少なく、お年寄りや筋肉に自身のない人でも気軽に体幹を鍛えられる

―ピラティスはマットの上で体幹を鍛えるエクササイズのほか、専用の器具を使って体に負荷を掛ける方法もある。伊佐山さんは「リフォーマー」「トラペツ」の2種類の器具を使用。トラペツはベッドのような台にばねが取り付けられているので、腰痛の人や体力に自信のない人でも体の状態に合わせて、無理なく運動できる。

体への負担が少ないのでお年寄りもレッスンに来ています。骨や筋肉の動きを意識することで、体を本来の姿に戻します。体が良くなると心もすっきりします。人の体は日常生活の中で同じ姿勢や運動の繰り返しで知らないうちに歪みが出てきてしまいます。同じような姿勢を長時間続けなければいけない立ち仕事やデスクワークは、体に歪みが出やすいです。体が資本なので、仕事で忙しい人ほど、満遍なく体を動かして使っていない筋肉をほぐしてほしいです。

食生活にも好影響

ピラティスを知るきっかけとなった踊りの世界。フラメンコは全国大会で受賞したほどの腕前

―ダンスが好きで、子どもの頃はバレ工、大人になってから、フラメンコを趣味にしていた。長年踊り続けてきた結果、腰の痛みに悩まされるようになった時、出合ったのがピラティスだった。

22歳の時にフラメンコを始め、3年ほどで腰痛に悩むようになりました。激しい踊りが体のよく使う部分に負担をかけていたようです。フラメンコではヒールで床を叩く動作があるのですが、足の裏を痛めることもありました。フラメンコを始めて9年目の時、雑誌の記事でピラティスを知りました。都内のスタジオで学びながら、トレーナーの資格を取得して、自分でスタジオを開くまでになりました。

―ピラティスで体の根本をつくり直したことで、心身ともに充実。バレエを5年前から再開した。健康維持のために食生活も見直しているという。

ピラティスを始めて、体質が改善されると心も軽くなったように感じました。フラメンコも次から次へと新しい課題にチャレンジすることを楽しく感じていました。フラメンコは40歳の時に、大きな大会で受賞したことを節目にやめましたが、それまで長く続けて来られたのもピラティスのおかげだと思っています。筋肉や骨の動きを意識することで、体を痛めることが少なくなりました。

ピラティスを学ぶことで健康をより意識するようになりました。外食を楽しむこともありますが、食事内容を自分でコントロールできるので料理することが増えました。若いころは食べるものに気を付けていませんでしたが、今はバランスよくシンプルなものを食べるようにしています。特に玄米を中心とした和食が自分に合っていると思い、食べています。無理に何かするのではなく、自分に合ったものだと長く続けられます。

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