介護を考える

医療と福祉の 連携に期待
―「特養」が 伊勢崎にオープン―

医療と福祉の連携が叫ばれる中、医療法人石会グループの社会福祉法人「一葉(ひとは)」がこの夏、伊勢崎市安堀町に特別養護老人ホーム「GreenRose(グリーンローズ)」をオープンしました。同グループの石井病院と情報を共有し、入所者の医療的措置に即応するほか、リハビリスタッフを常駐してADL(日常生活動作)の改善などに力を入れています。併設するデイサービスもリハビリに特化しており、利用者の自律を目指すサポートに期待が高まっています。

クリーム色の明るい外観が印象的な特別養護老人ホーム「GreenRose」

石井病院と情報を共有

景観もよく明るい個室

特別養護老人ホームは、重度の介護を必要とする人を対象に、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な介護施設です。少ない費用負担で長期入所できるのが特長で、食事や入浴、排せつの介護とリハビリテーションなどのサービスが提供されます。入所条件は原則65歳以上で、「要介護3」以上となっています。

7月28日にオープンした「GreenRose」は入所定員70床に加え、別にショートステイ10床を備えるほか、デイサービス、居宅支援事業所を併設しています。運営する社会福祉法人「一葉」は、介護士や看護師・栄養士・リハビリスタッフなど約70人の職員をそろえ、入所者やデイサービス利用者らのお世話をしています。

施設長の今井亮一さんによると、法人名の「一葉」は桜の葉に由来するそうです。満開の桜はもちろん美しいが、花が散った後の葉桜もまた見事です。「老いた人も葉桜のように、一人一人が青々と輝いてほしいという気持ちを込めました」と今井さん。

ホームの運営を支える今井施設長(左)と都丸事務次長

その言葉通り、介護にあたっては入所者一人一人に合った機能訓練を提供。いつまでも元気に、その人らしい生活を送れるようサポートしています。在宅復帰を目指す介護を行うことが、この施設の一番の特色といえるでしよう。リハビリスタッフを充実させるため、石井病院から4人が出向しています。また、電子端末を利用して、入所者の情報を石井病院と共有していることも、異変があったときの緊急対応に大きな強みとなっています。まさに医療と福祉の連携のたまものといえます。

職員にとって健康で働きがいのある職場づくりも、「GreenRose」の特徴です。車いすやベッドへの移動用リフトなど、機械の積極的な導入や介護士に対する腰痛予防の指導などに取り組んでいます。

入所者のベッドの下には、「眠りスキャン」が設置されています。入所者が寝ているときの心拍数や脈拍、さらに起き上がった状態やベッドを離れた状態であることを、職員がモニター画面でチェックできる仕組みです。事務次長の都丸健一さんは「見守り態勢の充実に加えて、職員の見回りの負担軽減や利用者の安全などに役立っています」と話していました。

2通りのデイサービス

1日コースのリハビリ中心の自律支援型は、定員が20人で、食事・入浴付きです。365日対応し、在宅介護の家族をサポートしてくれます。

また、デイサービスはリハビリ特化型で、専門職との個別訓練や最新のリハビリ機器および筋トレマシンを使って、身体機能の向上を図る通所介護となっています。定員は午前と午後の部各30人です。食事や入浴サービスはありません。開設は月~金曜日です。送迎範囲はいずれも施設の半径5キロ圏内です。

1階のデイサービス室には、8種類のリハビリ・運動機器とウオーターベッドが設置されており、施設の充実ぶりが同えます。

8種類のリハビリ・運動機器などを備えた デイサービス室

「GreenRose」への入所や通所を希望する人は、社会福祉法人「一葉」(0270-21-1108)に問い合わせてください。

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