いきいきらいふ

県産小麦のうどん 「おいしい!」

全国有数の小麦の生産を誇る本県は、「おっきりこみ」に代表される“粉食文化”が栄え、家庭の食卓に深く浸透している。良質の県産小麦粉で打った麺は、味や食感に優れ食欲をそそる。県製麺工業協同組合(星野陽司理事長)は、そのおいしさを子どもたちに味わってもらおうと、9月28日に高崎市金古町の認定こども園ぐんま幼稚園(福島秀起園長)に300食分の麺を提供した。同園は昼食時に五目うどんに調理して振る舞い、園児たちを喜ばせた。

昼食の五目うどんに舌鼓を打つ園児たち

星やハート形の野菜

「いただきまーす」。園児たちの大きな声が教室に響きわたった。野菜やちくわの天ぷらが乗った五目うどんを、うれしそうに類張る園児たち。一斉に笑顔が弾け、「おいしい」を連発する。

野菜のニンジンと大根は、星やハート、飛行機などの形をしている。PTAの役員6人が手作業でかたどりした。はしでつまみ上げた園児たちは、「見て見て、私のニンジンはハートだよ」などと互いに見せ合いながら、おいしそうに口に運んでいた。

作年から麺の提供事業

同園は「子どもたちの好き嫌いをなくそう」と、食育に力を入れている。昼食は0~2歳児が自園調理の給食、3~5歳児は外部発注の弁当だが、園児たちが畑で栽培した野菜を給食に使ったり、イベントで調理したりして、食材の理解も深めている。

元気いっぱいに園庭を走り回る園児たち

「「みんなが大切に育てた野菜だよ」と言うと、嫌いな子も無理して食べてくれます」と福島園長。苗植えから収穫、調理まで体験させることで、徐々に好き嫌いが少なくなっているのを実感している。

子どもたちは麺類が大好き。県製麺工業協同組合から麺の提供の話があったとき、福島園長は喜んで受け入れを決断した。

同組合は、県産小麦100%の麺の普及を目的に、昨年から子どもたちへの麺の提供事業を行っている。「地元産なので安心して食べていただけます」と同組合の新井一雄事務局長。この日は、前橋市大渡町の温井製麺が製造した給食用の麺を提供した。

この麺は、「さとのそら」「きぬの波」「つるびかり」という県産小麦をブレンドしており、「舌触りがなめらかで弾力があり、とてもおいしいうどんです」と製造した温井製麺の担当者は話す。

具だくさんうどんや、郷土料理おっきりこみのように、旬の野菜やタンパク質とともに食べる麺は群馬の粉食の基本。同組合では「地産地消で子どもたちに安全な食を楽しんでほしい。また、食育の観点からも県産小麦でつくった麺給食の普及をはかっていきたい」と目標を定めている。

安全な給食に全面協力

麺好きの子どもたちの要望に応えて、小中学校の給食でも麺類の回数が増える傾向にあるという。メニューもうどんだけでなく、焼きそば、すいとん、ラーメンなど種類も豊富に。そこで、同組合は安心、安全な給食の提供と地産地消の観点から、全面協力を惜しまない。

「できることなら、もっと幼少期から県産の小麦を使った麺類に親しんでもらいたい」と組合関係者は願っている。新井事務局長は「こうした事業を通して、子育て中のお母さんたちにも県産小麦の良さをアピールしたい」と話し、お代わりをしておいしそうに食べる園児たちの姿に目を細めていた。

お問い合わせ 群馬県製麺工業協同組合 027-261-5692

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