農産加工事業に力を入れているあがつま農業協同組合(JAあがつま)は、健康食品の新商品としてメグスリノキとウコンを原材料にした清涼飲料「肝太うこん」を発売した。肝機能を向上させる効果があるとされる2種類の成分をブレンドしたことで、製造元の同農協農林産加工工場の都筑秀次工場長は「アルコールの好きな人に最適のドリンクです」とすすめている。
アルコール好きにおすすめ
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「肝太うこん」
「沢田の味」だけではない
あがつま農協といえば、「沢田の味」が代名詞の漬物の生産で知られている。地元で取れた旬の素材を、昔ながらの製法で風味豊かに仕上げた各種の漬物は、酒のつまみやお茶請けなどとして人気があり、贈答品としても喜ばれている。
一方、製造品目は漬物だけにとどまらない。ジュース類やジャム、レアチーズケーキなどを吾妻地区で生産された果物や牛乳などを使って同加工工場で製造・販売。さらに、健康に関する商品も数多く取り扱っている。
100ml入りで300円
新発売の「肝太うこん」は、原材料の一つ、メグスリノキを栽培している池田勝重さん(新潟県妙高市)との共同開発で生まれた。メグスリノキのエキス(新潟県産)とウコン粉末(群馬県産)のほか、本県産のゆず果汁と蜂蜜も使用。多少の苦味はあるものの飲みやすくなっている。
100ml入りの瓶詰めで、値段は1本300円(税込)。瓶のラベルには、高級日本酒などで使われている和紙を用いている。「もちろん、お酒を意識してデザインしました」と都筑工場長。「二日酔いや肝臓が心配な人には最適な飲み物です」と話す。
一般にメグスリノキは、目の病気の改善や肝機能の向上、動脈硬化の予防などに効果があるといわれている。また、ウコンに含まれる有効成分クルクミンには、肝機能を強化する働きをはじめ、生活習慣病や炎症、筋肉疲労などの効能が挙げられている。
「『肝太うこん』なら両方の成分を手軽に摂取することができます」
二日酔い対策に
同農協がメグスリノキを原材料にしたドリンク商品の開発を行ったのは、20年余り前に発売した「肝太くん」が最初だった。当時、中之条営林署に勤務していた池田さんは、スギやヒノキの造林地でメグスリノキの若木がたくさん株立ちしているのを見つけ、健康飲料に利用できないか提案し、同農協と共同開発を行った。
「肝太くん」はこれまでに累計100万本を売り上げるヒット商品となり、関連商品として「カンコちやん」と「BMCドリンク」も世に出した。今回の「肝太うこん」は約10年ぶりの新商品で、ウコンの粉末を使用したのは初めて。「私が実際に試してみましたが、二日酔い対策に効果的でした」と池田さん。年末年始の宴会シーズンを迎えて、「飲酒前に1本、飲酒後に1本飲んでもらえると完璧です」と体験談を交えて話す。
県内4カ所のあがつま農協直売所と関東森林管理局の売店で販売しており、徐々に取扱店を増やしていく予定だ。