全室個室で
家庭的な雰囲気
─ユニットケアの
「小泉の杜」─
社会福祉法人「和(なごみ)会」が運営する特別養護老人ホーム「小泉の杜」(伊勢崎市田部井町)で、増床のための工事が急ピッチで進められている。4月1日オープン予定で、増床分の20床と既設の80床(ショートステイ10床含む)を合わせると、ベッド数は100床になる。全室個室で家庭的な雰囲気や充実したケア体制が人気の同ホームを訪ねた。
斬新なデザインと家庭的な雰囲気が人気の特養「小泉の杜」
斬新なデザイン
「ユニットケア」と呼ばれ、一人一人の個性と生活のリズムを尊重した個別ケアを実践する施設として、2014年5月に開設した小泉の杜。鉄筋コンクリート造り2階建ての外観は、芸術の館を思わせる斬新なデザインが特徴で、ユニットごとの建物が中庭を囲むようにコの字型に並んでいる。
「内外装とも特養ホームらしくない、非日常を味わえる造りになっています」と副施設長の石田聡子さん。生活相談員の平山沙彩さんとともに、施設内を案内してくれた。
トイレと洗面を備えた
落ち着いた雰囲気の個室
全室個室で、10部屋を1ユニット(生活単位)として1~2階合わせて8ユニットが整備されている。廊下は真っ直ぐでなく少しジグザグしていて、職員のいる事務室や向かい合った部屋からの視線がそれるようになっている。「個人のプライバシーが守られやすいように設計されています」と石田さん。
高い医療依存度にも対応
ガラス張りの明るいホールは、
利用者の交流の場になっている
ここでは施設の暮らしを家庭生活の延長としてとらえ、使い慣れた家具や愛用の品々を自分の部屋に持ち込むことができる。「家で使用していたソファやテレビ、趣味の装飾品などを持ってきて、楽しんでいる人もいます」と平山さんは話す。
食事や入浴・レクリエーションなどもユニットごとに行われている。入居者とスタッフがユニット別に生活を共にすることで、近所づきあいのように親しくなり、信頼関係が深まっていく。「スタッフも専任なので、顔なじみとなり、より家庭的な環境が生まれます」と石田さん。
こうした充実したケアが人気を呼び、小泉の杜は満床の状態が続いている。このため、20床を増やすことを決め、4月のオープンに向けて2ユニットの増築工事を行っている。
新ユニットでは、経験豊富な看護や介護職員が24時間常駐し、経管栄養やインシュリン注射、血液透析など医療依存度の高い人にもしっかり対応する。「安心・安全のために見守りカメラの設置、介護ロボットや特殊ベッドの導入なども考えています」と石田さんは力を込める。現在、入居者を募集中だ。
高い医療依存度にも対応
ショートステイでは、健康チェックや食事・入浴・趣味の活動などを実施。さらに心身の機能維持や向上のために、2階ホールに配置した各種器具を使ってリハビリテーションも行っている。また、デイサービス(定員20人)も手掛けており、送迎から健康管理・入浴・食事・機能訓練など幅広いサービスを提供している。
施設について説明する副施設長の石田さん(左)と
生活相談員の平山さん
「近隣の人たちと交流を深めるため、定期的に『なごみカフェ』というイベントを定期的に開いています」と平山さん。訪ねた日はちょうど開催日で、ホールに集まった地域の人たちが、作業療法士の講話を聴いた後、アロママッサージなどを受けていた。
看護師や介護士・理学療法士・歯科衛生士など多彩な専門スタッフの笑顔と、明るく落ち着いた雰囲気が印象的な小泉の杜は、ショートステイやデイサービスの利用も随時受け付けている。