県産食材を食べよう!
今月はコンニャク
おいしい元気

おなかにやさしい

鍋物やおでんの具としておなじみのコンニャク。弾力のある食感が特徴で、食物繊維のグルコマンナンを含んでおり、腸の働きを刺激して余分なものを排せつしたり腸内環境を改善する効果がある。今回は健康志向の人に人気のコンニャクを使って、手軽に調理できる簡単レシピを紹介する。

豚バラ巻き

エネルギー 305kcal
たんぱく質 9.9g
脂質 24.7g
塩分相当量 1.3g
材料(1人分)
生芋コンニャク60g、豚バラ肉3枚、マイタケ40g、焼肉のたれ大さじ1、カイワレ5g、トマト30g
作り方
  1. コンニャクは短冊切りにし、熱湯でゆでる
  2. コンニャクとマイタケをバラ肉で巻く
  3. 巻き終わりを下にして焼き、焼肉のたれで味を付ける
メモ
  • エノキダケや豆苗などを一緒に巻いてもOK

おでん

エネルギー 203kcal
たんぱく質 16.1g
脂質 8.0g
塩分相当量 5.1g
(※)摂取する分を算定
材料(1人分)
生芋コンニャク60g、つみれ1個、ちくわ40g、大根50g、生揚げ小1個、生昆布1個、だし汁130cc、しょうゆ(※)大さじ2、塩少々、酒大さじ2
作り方
  1. コンニャク、大根は下ゆでする
  2. だし汁に調味料を入れ、材料を加えて煮る
メモ
  • 好きな練り物やジャガイモ、卵などを加えたり、だし汁で煮てみそだれを掛けてもOK

コンニャク丼

エネルギー 601kcal
たんぱく質 23.4g
脂質 23.9g
塩分相当量 3.0g
(※)摂取する分を算定
材料(1人分)
生芋コンニャク50g、牛肉70g、長ネギ30g、ご飯150g、温泉卵1個、刻みのり適宜、すき焼きのたれ(※)50ml、水25ml、紅ショウガ10g
作り方
  1. コンニャクは細切りにし下ゆでする。長ネギは斜め薄切り、牛肉は5cmくらいに切る
  2. 水とたれを煮立たせ、材料を加えて煮る
  3. ご飯に材料を乗せ、真ん中に温泉卵、さらに紅ショウガと刻みのりを乗せる
メモ
  • 牛肉の代わりに豚肉や鶏肉でもOK

*料理/利根実業高校2年 稲垣綾乃さん

食事は主食・主菜・副菜をそろえましょう

20歳で父の跡継ぐ
機械化で大規模に

県産食材
コンニャク栽培 昭和村
稲垣 貴謙[たかのり]さん(44)

コンニャク芋の生産量が全国1位の本県は、9割のシェアを誇っている。赤城山北麓に位置する昭和村は、県内主要産地の一つで、コンニャク栽培に適した水はけのいい火山灰土が広がり、大規模経営の農家がたくさんある。

生産者の1人、稲垣さんも積極的に機械化を進め、栽培面積は14haに広がり、年間約483tを出荷している。

栽培品種は、県の育成品種である「みやままさり」。生子(きご)が球状なので機械による植え付けがしやすい─といった利点があり、3年前に導入した。「グルコマンナンの含有量が多く、歩留まりもいいので、生産者にとって魅力的な品種です」と稲垣さん。

▼コンニャク芋を選別機にかける稲垣さん(手前)と妻の陽子さん

収穫まで2~3年先

農家の長男に生まれた稲垣さんが、父親の跡を継ぐ形でコンニャクの世界に飛び込んだのは、県立農林大学校を卒業した20歳のときだった。

コンニャクは収穫までに2~3年かかる根気のいる作物だ。1年目は種芋作り。春に種芋の赤ちゃんである生子を植え、秋に掘り起こして貯蔵庫に保管。翌年の春にその種芋を植え、大きく芽を伸ばして地下茎に養分を蓄え、300g以上に育ったら収穫し販売する。300g未満の場合は、もう1年同じことを繰り返す。

稲垣さんは2年で出荷しているが、それでも「手間がかかって大変です」と苦笑する。農林大学校で知り合った妻の陽子さん(44)、3年前に同大学校を卒業した長男の裕太さん(23)や友人の助けを借りて、数々の作業をこなしている。

「種芋の植え付けや収穫のときは、パートを含め総勢15人ほどになります」

デリケートな作物

▲大きさをそろえ、乾燥防止をして貯蔵庫に保管する

栽培を始めて分かったことは、コンニャクが自然の影響を受けやすく、病害虫にも弱いデリケートな作物であるということだ。

「風で倒されると茎から菌が入ったり、大敵のアブラムシによって葉が萎縮する“えそ萎縮病”を発症したりして、芋が育たなくなってしまいます」と稲垣さん。定植前の予防防除や虫が発生しやすい夏場の消毒は欠かせない。「油断すると、畑の一区画が全滅ということになりかねません」

もう一つ神経を使っているのが、貯蔵庫の温度と湿度の管理だ。コンニャク芋は生子を含めて貯蔵期間が半年以上にわたり、その間の気配りが収穫時の品質の良しあしを左右する。「コンニャクひとつで生計を立てているので、1年を通して気を抜くことはできません」と専業農家としての気構えを披露。今後は同じ面積で収量アップにつなげる研究に取り組むという。

*制作協力/群馬県農政部

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