こっそり運動で
血液を健康に
指導
健康運動指導士
園城 朋子さん
群馬県立心臓血管センター勤務
群馬県スポーツ協会・スポーツ指導者協議会所属
JAFA公認ADI
血流速度低下
血液は、身体に必要な栄養素を運搬し、酸素や二酸化炭素を運搬回収しながら、絶えず体内を循環しています。座った姿勢でいると脚の筋肉が使われないため、静脈の血流は座った直後は秒速7.8cmですが、30分座った後では秒速2.2cmに減速します。そのため糖や脂肪は消費されにくく、血液中に滞ってしまいます。この状態が続くと血液がドロドロになり、うまく循環できなくなってしまいます。
さらにこういった生活パターンが続くと、肥満や糖尿病、ひいては心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気を引き起こす可能性が高まります。
※血流速度には個人差があります。
運動習慣のある人でも注意が必要
健康意識の高まりにより、普段から朝や夕方の余暇時間にウオーキングやジョギング・水泳やヨガなどの運動を20~30分定期的に行っているという人も増えています。ただ余暇時間にまとめて運動したとしても、日中座っている時間が長ければ長いほど、残念ですがその運動効果は薄れてしまいます。
立ち上がって歩く
立つ歩くなどの身体活動をすることで筋肉が動き、血液中の糖や脂肪がエネルギーとして使われ、血流が促進されます。
仕事や移動中など、どうしても座位時間やじっとしている時間が続く場合には、30分に一度立ち上がるだけでも効果はあります。さらにトイレや、ごみ捨て、お茶くみなど、何か立ち上がる理由をつけて2~3分歩くことをおすすめします。
腰痛・肩こりの原因にも
座位で多く見られるのが、骨盤が後傾し腰椎が後弯した悪い姿勢です。こういった姿勢では、腰椎の椎間板内圧が高まり、椎間板の変性を促進させてしまいます。仙腸関節への負担も増し、腰痛を引き起こす原因ともなります。
また円背[えんばい]することで、肩甲骨周辺の筋肉に負担がかかり、肩こりや首の痛みの原因にもなります。
姿勢改善運動
- お問い合わせは日本健康運動指導士会群馬県支部(県立心臓血管センター内)
tel 027-269-7455(内線8332)
- 運動はかかりつけの医師の指導のもと適切に行いましょう