充実した
リハビリサービス
─楽しく安心・
安全な老健「旭ヶ丘」─
一口に介護老人保健施設といっても、施設によって特徴はそれぞれ異なる。医療法人原会が運営する老健「旭ヶ丘」(伊勢崎市間野谷町)は、入所者の家庭復帰を目指して充実したリハビリサービスを提供しているほか、要望に応じてターミナルケアも行っている。来年、開設20周年を迎える同施設を訪ねた。
在宅復帰を目指す
田園風景が広がる伊勢崎市北部に位置する老健「旭ヶ丘」は、コンクリート造り2階建てのモダンな建物で、北側の窓からは裾野の広い赤城山の雄姿が一望できる。
入所施設は、短期を含めて個室(28室)・2人室(4室)・4人室(16室)の計100床を備え、通所リハビリテーション(定員45人)を併設している。
「一日も早く在宅復帰されるよう、入所者一人一人に合ったケアを実践しています」と、施設長の仲本宗健さんは力を込める。入所者の多くは要介護3以上で、治療を終えて病院から退院した人や、日常の生活機能が低下した人たちだ。「理学療法士、作業療法士などリハビリスタッフ10人をそろえて、効果的なリハビリを施しています」と話す。
通所者には送迎も
2階のリハビリテーションルームをのぞくと、歩行訓練用の平行棒の奥に、筋力アップに使うレッグプレスやチェストプレスなど4種類のマシンが並んでいる。さらにその隣には、エアロバイクや滑車もある。「個々にリハビリ計画書を作成し、それに基づいて訓練を行い、心身機能の回復を図っています」と理学療法士のスタッフが説明してくれた。
リハビリは集団で行うだけでなく、個別リハビリもある。また、手芸や工作などを通して手先を動かしたり、言語聴覚士の指導で言葉の発声練習を行ったりしている。不眠症や足のむくみなどに悩んでいる人には、ウオーターマッサージベッドの利用を勧めており、「アロマ・リラクゼーション」も効果的で人気があるという。
通所リハビリの利用者には、送迎サービスも行っている。入所者と同様のリハビリが受けられ、楽しみながら健康づくりができるとあって、毎回30人ほどが参加している。筋トレや有酸素運動に加え、口腔体操や認知症予防のための脳トレなど7つのメニューを用意しており、グループで和気あいあいとスケジュールをこなしている。
心和ますイベント
「入所に際しては、私たち相談員が入院先の病院や家族と連携して、本人の状態や好きな食べ物、日常の生活ぶりなどを聞き、スタッフ全員に伝えてリハビリや介護に生かしています」と、支援相談員の惣名香織さんは話す。常勤の医師と看護師による健康管理サービス、ケアプランに基づく食事、入浴、排せつなどの介護サービスが充実しているゆえんである。
食事面でも、管理栄養士が一人一人の栄養状態、摂食状況に応じて栄養管理を行い、療養食やソフト食などで栄養ケアマネジメントを実施。さらに食事を楽しんでもらおうと、旬の食材を使った行事食の提供も行っている。
「イベントが多いのも当施設の特色です」と惣名さん。花見や納涼祭、敬老会、クリスマス会など四季の行事に加え、外食や買い物といった施設外のものもある。「月1回のおやつバイキングはとても人気があります」
リスク管理も徹底しており、緊急の入所者に対してスムーズに対応。利用者の便宜を図るため、通所リハビリは半日でも受け入れている。「施設で楽しく安心して過ごしていただくよう、入所者との信頼関係を深めていきたい」と相談員の星直希さんは話していた。