目的別  水中ウオーキングのすすめ!

健康運動指導士
指導 健康運動指導士 高山 美紀さん

鍼灸あんまマッサージ指圧師
NSCA認定パーソナルトレーナー
はりきゅうマッサージCare clover主宰
群馬県スポーツ協会 健康スポーツ指導者協議会所属
群馬県立心臓血管センター 非常勤勤務

暑い日が続いています。せっかく運動習慣がついたのに、この暑さで運動から遠のいてしまうのはもったいないですね。こんな季節こそ、水の特性を利用したウオーキングで気分もリフレッシュ! 健康状態に合わせて無理のない範囲で運動を続け、厳しい夏を乗り越えましょう。

水中でのからだの反応

①軽くなる!

浮力の働きで、体重の負荷が減少します。ひざや股関節、腰などに疾患があり、陸上での長時間歩行が困難な人でもウオーキングが可能です。日頃、姿勢を支えている抗重力筋も重力から解放され、リラクゼーションやストレッチングの効果が高まります。

②呼吸筋が鍛えられる!

水深が深いほど水圧が大きくかかります。胸まで沈むと、水圧に負けないように胸郭を広げて息を吸うことになるので、呼吸筋にはより負荷がかかります。また、水中の立位姿勢では下肢全体に押しつぶされるような圧力がかかるため、静脈から心臓へ戻る血液量が増加します。これにより心臓からの一回の拍出量も増加するので、陸上での同じ強度の運動と比べると、心拍数は少なくなります。

③負荷を変えられる!

水の抵抗が運動負荷になります。運動方向や速さ、姿勢や手足の角度を変えることで、大きな力でも小さな力でも運動しながらの調節が可能です。

生活習慣病予防、改善のため

水中でも、陸上と同じフォームで歩きます。
自然な歩輻でゆっくり歩くことから始め、まずは25mを目標に!
慣れてきたら少しずつ時間を延ばし、15~20分間を1セットの目安とします。
体力に合わせ、十分な休憩を挟みながら2~3セット運動ができると効果的です。
手のひらを後方に向けて、水をかくように進むと推進力に!
循環器疾患のある人は、みぞおち以下の水深で運動しましょう。

スポーツ復帰をめざす人へ

陸上よりも太ももを大きく上げ、大またで一歩を踏み出します。
一歩一歩、肩まで水につかるくらいの深さになるように、ひざを深く曲げて接地します。
接地時は、ひざとつま先が同じ方向を向くように。
腰が反らないように、おなかにしっかりと力を入れて歩きましょう。


気分転換、リラックスしたい人へ

ビート板やうきわ、流れるプールなどを利用して、水の流れにまかせながら進みます。
プールサイドに腰掛けて、水に足を人れるだけでも気持ちがよいですね。

注意点

  • 治療中の疾患がある人や、気になる自覚症状がある人は、実施の前に、水によるさまざまな反応に適応できる健康状態かどうかを医師に確認しましょう。
  • 準備体操・整理体操は、陸上でも時間をかけて行いましょう。
  • 上着、タオル、水分補給などの準備をし、急激な体調の変化や体温の変化が起こらないよう気をつけましょう。
  • お問い合わせは日本健康運動指導士会群馬県支部(県立心臓血管センター内)
    tel 027-269-7455(内線8332)
  • 運動はかかりつけの医師の指導のもと適切に行いましょう
発行
上毛新聞社営業局「元気+らいふ」編集室
FAX.
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