「運動は動脈硬化
予防の
大切な療法です」
指導
健康運動指導士
斉藤 智子さん
群馬県立心臓血管センター
日本健康運動指導士会群馬県
支部事務局長
科学的根拠
「療法」とは「病気の治し方・治療の方法」の意味ですが、病気にならないために予防をし、入院や加療が行われ、リハビリテーションを通じて再発させない体づくりや生活習慣を改善することが総じて「療法」と考えられます。
私たちが大切にしている「運動」には、そんな「療法」としての身体への影響を与える力があることが「科学的根拠(エビデンス)」として多方面で知られてきました。
加齢的影響
私たちの身体は「老化」していきますが、その加齢的影響が体の内部に大きく影響を及ぼし、一番大切な心臓・血管への悪影響が病気の主な原因となります。それが「動脈硬化」です。日本人の約4人に1人が心筋梗塞や脳血管疾患で亡くなっています。血管の壁が厚くなり、狭くなり、詰まり、破れる。「運動」はそんな動脈硬化に対して「流れを改善し」、「壁を柔らかく保ち」、「詰まりにくくする」という効果があります。また、長く続けていると動脈硬化病変を小さくすることもできます。
習慣化
運動は習慣化が一番大切です。次の3点を生活の中でも見つけだしてみましょう。
- 運動効果を知り、行おうとする意識を持つ
- 運動できる場所や仲間をつくる
- 運動自体に楽しさを見いだす
《ミニクイズ》運動の効果について知識チェック
〇か×かを( )に入れましょう
問題
- 運動には強さがあります。中強度の方が強い運動より効果が高い?( )
- 心疾患予防には朝起きてすぐの運動が良い?( )
- 有酸素運動を10分やっても有酸素にならない?( )
- ゴルフを週1回行っているから、運動は十分?( )
さて、いかがですか?答えは右下に
有酸素運動の前後に血流改善や足腰の関節・筋肉の柔軟性向上のために、足腰を整えるエクササイズを行いましょう。
心疾患・動脈硬化予防効果
について専門医からアドバイス
群馬県立心臓血管センター
副院長
安達 仁 医学博士
心臓は体中に血液(栄提)を送るためのポンプです。体を動かす時には筋肉がたくさんの栄養を必要とするので、心臓がたくさん動かなければなりません。心臓病になるとこの調節がうまくいかなくなって、体を動かしたときに「動悸」や「息切れ」、「疲れやすさ」などの症状が出現します。
運動療法は、冠動脈硬化病巣そのものを小さくしたり、心臓の働きかたの効率をよくして狭心症を治療します。また、動脈硬化の原因とされているコレステロールや高血圧・糖尿病などをよくして、動脈硬化そのものを予防します。
運動は心臓病予防治療の根本です。頑張って運動して心臓病を予防しましょう。
- お問い合わせは日本健康運動指導士会群馬県支部(県立心臓血管センター内)
tel 027-269-7455(内線8332)
- 運動はかかりつけの医師の指導のもと適切に行いましょう