県産小麦を 使って“食育” 栄養満点 「きのこ肉うどん」

古くから「粉食文化」が栄えてきた本県は、良質の小麦の産地として知られている。県製麺工業協同組合(星野陽司理事長)は、県産小麦100%のおいしいうどんを子どもたちに味わってもらおうと、10月11日に前橋市朝倉町の認定こども園二子山幼稚園(今井啓太園長)に300食分の麺を提供した。同園は給食の時間に「きのこ肉うどん」に調理して振る舞い、園児たちを喜ばせた。

具がたくさん入った「きのこ肉うどん」をおいしそうに食べる園児たち
▲栄養満点の「きのこ肉うどん」

製麺工業組合が麺を提供

県内の製麺業者でつくる同組合は、地産地消を提唱しており、県産小麦で作った麺の普及を目的に、一昨年から子どもたちへの麺の提供事業に取り組んでいる。

今回、提供した麺を製造したのは、同組合に加盟する高山麺業(同市天川大島町)で、県のオリジナル品種「さとのそら」と「きぬの波」をブレンドした小麦粉を原料としている。学校給食用の麺と製法は同じだ。

「味や食感に優れていて、とてもおいしいです」と、同組合の新井一雄事務局長は太鼓判を押す。

小麦粉粘土でうどん作り

「食育」に力を入れている同園は、園内に調理室を持ち、完全給食を実施している。調理室の前には毎日、献立の見本とともにその日のメニューとカロリーを表示。管理栄養士の給食員によるアレルギー対策も行っている。また、園の畑でナスやトマト、トウモロコシ、ジャガイモなどを園児と一緒に栽培。収穫を体験させたり、取れた野菜を給食に使ったりして、食への関心を高めている。

この日は年長児のクラスで、うどんをテーマにした絵本の読み聞かせと粘土遊びを行った。絵本を通してうどんの作り方を学んだ園児たちは、小麦粉粘土をちぎって細く伸ばし、何本もの“麺”を作り上げた。続いて色紙で作った油揚げやニンジン、エビフライなどの具を乗せて、オリジナルの天ぷらうどんを完成させた。「本物そっくりにできたよ」と互いに見せ合う園児たちの笑顔が弾ける。

「楽しいな」―小麦粉粘土を使って麺づくり

子どもたちは麺類大好き

待ちに待った給食の時間。この日のメニューは、メインの「きのこ肉うどん」に牛乳とチーズプリン。「月に2~3回は麺類の日を設けています」と今井園長。うどんのほかに焼きそば、パスタなど麺を使った調理法にも工夫を凝らす。

園児たちは、提供を受けた麺を袋から出して器に入れると、調理室から運ばれてきた熱々の汁を順番に先生からかけてもらった。しょうゆ味をベースにした汁には、豚肉、シメジ、シイタケにタマネギ、ニンジン、ホウレンソウなどの野菜がたっぷり。給食当番の「いただきます」の声に合わせて全員で唱和すると、「おいしい」を連発しながらうどんを口に運んでいた。

管理栄養士の内林貴代子さんは「具だくさんの汁で栄養バランスを取りました。子どもたちは麺類が大好きで、みんな完食してくれるのでつくりがいがあります」とうれしそうに話していた。

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