県産小麦100%の 麺で調理 「けんちんうどん」 に舌鼓

「いただきまーす」─子どもたちの元気な声が、教室内に響きわたった。太田市下小林町の認定こども園若葉幼稚園(林清美園長)で11月16日、年に1度の「麺類給食」が行われた。この日のメニューは「けんちんうどん」。麺類が大好きな園児たちは、野菜や肉がたっぷり入ったうどんを、おいしそうに口に運んでいた。

待ちに待った給食の時間。「うどん大好き」と言いながら舌鼓を打つ園児たち
▲野菜や肉がたくさん入った「けんちんうどん」

学校給食用と同じ製法

給食の「けんちんうどん」に使われたのは、県製麺工業協同組合(星野陽司理事長)が提供した県産小麦100%の麺。県内の製麺業者でつくる同組合は、地産地消を提唱しており、3年前から毎年、県産小麦の麺を子どもたちに提供している。今年は10月の二子山幼稚園(前橋市)に続いて2度目。

麺を製造したのは、同組合に加盟する前橋市の高山麺業。県のオリジナル品種「さとのそら」と「きぬの波」をブレンドした小麦粉を原料に、学校給食用の麺と同じ製法で作り、500食分を提供した。

同社品質管理部の光山秀樹課長は「手打ち式の製麺工程による包丁切りうどんなので、こしがあっておいしいです」と話す。

野菜や肉が豊富な汁

自園給食を実施している同園は、月に1回程度の「手作り弁当の日」を除いて毎日、献立表に合わせて給食室で調理を行い、温かい給食を園児に提供している。基本はご飯とみそ汁、おかずがセットで、水曜日は「パンの日」と決めている。

麺類は特別で、この日の献立表には「県産小麦で作ったうどんの日」と書かれていた。朝から給食を楽しみにしていた園児たちのために、調理担当者が腕をふるったのは、麺にかける具だくさんの汁作り。園内の畑で子どもたちが収穫した大根をはじめ、ニンジン、長ネギ、サトイモ、ゴボウ、豚肉などを入れて、じっくり煮詰めた。

「当園は給食を残す子がとても少ないです」と林路人副園長。完食をした子にはシールをプレゼント。さらに「ワッショイ」と言えばお代わりができるルールも設けている。

待ちに待った給食の時間。園児たちは器に入れたうどんに、先生から熱々の汁をかけてもらい、出来上がった「けんちんうどん」に舌鼓を打ちながら「おいしい」を連発。「ワッショイ」と掛け声を上げてお代わりをする子も見られた。

園の畑で大根を収穫

広い敷地と自然環境に恵まれた同園は、田んぼや畑、カキ・ミカン園などを所有しており、食育の教材には事欠かない。

「田んぼでは田植えから稲刈りまで、畑ではナスやピーマン、大根などの収穫体験を、年長や年中の園児たちにしてもらっています」と林治稔理事長。農業経験のある林理事長が、田んぼや畑の管理を引き受け、園児たちと一緒に種まきや苗植え、草取りなどを行い、収穫の喜びを分かち合うようにしている。

麺類給食の日は午前中、年長児を対象に大根の収穫体験が行われた。園の裏手にある畑に集合した子どもたちは、気合を入れると畑に入り、力いっぱい大根を引き抜いた。収穫した大根は家庭の食卓用に1本ずつプレゼントされた。

園の畑で収穫したばかりの大根を手にする年長児たち
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