舌下免疫療法

アレルギー性鼻炎の 最新治療

細谷医院(富岡市)
細谷 睦さん

毎年春の訪れと一緒にやって来るスギ花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や皮膚のかゆみなどを伴います。一般的な対症療法として、抗ヒスタミン薬等の内服、点鼻薬、点眼薬等を処方します。5月の連休ごろまで、つらい日々を何とか軽減させながら過ごされている方が大勢いると思います。これを根治的に治そうとする最新の治療として期待されているのが、舌下(ぜっか)免疫療法です。舌の下に錠剤を置き、1分間保持して飲み込む方法で、毎日1回繰り返します。文献的には約7割の人が、緩解(かんかい)する(症状が治まる)とされています。

この療法は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎の治療の対症療法で十分な効果が得られない方、対症療法の薬剤量を減らしたい方、将来妊娠を希望している女性、特に春季に受験を控える学生にお勧めです。適応年齢は5~65歳とされています。実施している耳鼻咽喉科などの医療機関(「舌の下」で検索)を受診してください。

アレルギーの検査(血清抗体価検査か皮膚反応検査)、鼻鏡(びきょう)検査、鼻汁(びじゅう)検査などを受けます。スギまたはダニアレルギーの診断確定後、1週間は少量から開始(1日1回)、その後、2.5倍の維持量を3~5年(1日1回)続けます。この間少なくとも月1回の受診が必要です。開始時期はスギの場合、飛散期を避けた6~11月です。服用後5分間はうがい、飲食をしない。服用前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴をしないなどの決まりがあります。

軽度の副作用としては、舌の下の腫れ、かゆみ、不快感等があります。重大な副作用としてまだ報告はありませんが、全身にアレルギー症状が出るアナフィラキシーもあり得るとされています。異常を感じたらすぐに医療機関に相談してください。

協力/群馬県医師会
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