空っ風のシーズン到来。寒い夜は体の芯から温まる鍋物が恋しくなる。家族そろって鍋を囲む夕食のひとときは会話が弾み、身も心も温かくなる。鍋にもいろいろあるが、ここでお勧めしたいのは県産食材100%の「すき焼き」。おいしくて栄養バランスに優れているすき焼きを食べて、寒い冬を元気に乗り切ろう。
「すき焼き応援県」
豊かな大地に恵まれた本県は、1年を通して新鮮な野菜や果実、キノコなどが生産され、畜産も盛んに行われている。この中には、全国一の生産量を誇るコンニャクや海外にも販路を広げている上州和牛など、自慢の品々がたくさんある。
県は5年前、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産に登録されたのを機に、「すき焼き応援県」宣言を行った。県外や広く海外から訪れる人たちをもてなす料理として、県の魅力が結晶したすき焼きが最もふさわしいと考えたからだ。
その最大の理由が、「すき焼き自給率100%」という本県の特徴。牛肉やコンニャクだけでなく、ネギ、シイタケ、シュンギクなど、食材のすべてを県内産でまかなえる自慢の土地柄だ。県はマスコットのぐんまちゃんを「好き好き!すき焼き大使」に任命するなど、すき焼きの普及に力を入れている。
すき焼き新メニュー
「すき焼き応援県」宣言に合わせて、県が立ち上げた「ぐんま・すき焼きアクション」の動きが活発だ。すき焼きの魅力を全国へ、さらに世界へと発信するこのPR事業に賛同する企業は年々増加。県産食材を使った「すき焼きメニュー」を提供する飲食店や、店頭で「すき焼きコーナー」を設ける小売店は約180店舗に上った。昨年はギネス世界記録に挑戦するイベントも開催。1時間に745皿のすき焼きを提供して、世界記録に認定されるなど大きな話題をまいた。
今年は県内4地域の20を超える飲食店が参画して、新たなすき焼きメニューを開発した。地域ごとにメニューの共通点を設けており、前橋は豚肉、高崎は豚モツをそれぞれ使用。桐生は「おっきりこみ」との融合、伊勢崎は地域食材の使用と、特色を打ち出した。各店舗で扱っているので、ぜひ味わってみてほしい。また、各家庭でも鍋に入れる具を工夫するなど、わが家自慢のすき焼きでぜひ空っ風に負けない体力づくりを─。