乾燥肌
保湿剤使って
潤い保とう
望月皮膚科医院(前橋市)
望月 和子さん
皮膚にはバリア機能があり、肌の潤いを保ち、外界からの異物の侵入を防いでいます。バリア機能を担っているのが、表皮の一番外層にある角層です。皮膚の表面は皮脂で覆われ、角質細胞の隙間を角質細胞間脂質が埋めています。角質細胞にはアミノ酸や尿素などの天然保湿因子が、脂肪酸やセラミドなどの角質細胞間脂質は、細胞の隙間を埋めるだけではなく、水分を保持しています。「皮脂」「天然保湿因子」「角質細胞間脂質」が、皮膚の潤いを保っています。これらの因子が減少し、バリア機能が低下すると、水分を保てなくなり、乾燥肌になります。
皮脂分泌の少ない乳児・幼児・小児、加齢で保湿因子が減少する高齢者、アトピー性皮膚炎などの乾燥性疾患、透析を受けている人なども、乾燥肌になりやすい傾向があります。
皮膚のバリア機能を改善させ正常の肌に近づけるため、保湿剤を塗ってください。入浴後10分以内に外用すると、効果があると言われています。
乾燥肌を予防するには、①エアコンによる室内の乾燥に注意し、適度な湿度を保つ②入浴時には、高温(42度以上)を避け、ナイロンタオル等でゴシゴシ洗わない。入浴後は、保湿剤をしっかりと塗る③衣類は刺激の少ない素材を選ぶ④かかないようにする─などが挙げられます。保湿剤を上手に使って、潤いのあるスベスベ肌で、快適に過ごしましょう。
協力/群馬県医師会