片 頭 痛
適切な薬で
解消へ
みずの神経内科・
内科クリニック(高崎市)
水野 裕司さん
わが国では慢性的な頭痛に悩む“頭痛持ち”の人は、成人の3人に1人、片頭痛患者は約840万人いると言われています。そのうち約70%は医療機関を受診しておらず、約50%は市販薬で対処しています。
頭痛に対する世間の認識は低いですが、立派な病気です。頭が痛いと勉強がはかどらない、仕事に支障をきたす、日常生活が楽しめないなどの不安や不満が生じます。月に数回の頭痛であれば我慢できますが、10日以上も頭が痛いと鬱っぽくなってしまいます。この状態になると頭痛薬を飲み過ぎて、もともとの片頭痛に薬物乱用頭痛(頭痛薬を月に10日以上も服用している人は注意)が加わってしまいます。そうなるとますます手ごわくなります。
片頭痛の治療薬は、①アセトアミノフェン(主として小児、妊娠中もしくは授乳中の女性に処方)、②非ステロイド系消炎鎮痛剤(ロキソプロフェンなど)、③トリプタン製剤(片頭痛専用の薬)などがあります。①と②を試したことのある人は多いですが、③の存在を知らない人もいます。③には5種類ありますが、どれが強い弱いではなく、あくまでも患者と薬との相性であり、効果も異なります。全てのトリプタン製剤が有効の患者もいれば、全て無効という患者も存在します。
頭痛専門医による正しい診断、適切な頭痛薬や予防薬(片頭痛の頻度を減らし、程度を軽くする)の処方により、日常生活はガラッと変わります。「頭痛に悩んでいたあの頃が懐かしい!」と思える日が訪れるように協力できれば幸いです。
協力/群馬県医師会