膀 胱 炎
女性の2人に1人
発症
加藤クリニック(前橋市)
加藤 雄一さん
「おしっこをする時に痛い」「最近トイレが近くなった」「排尿したけどスッキリしない」などの症状がある場合、膀胱炎の可能性があります。また、「尿が白く濁る」「尿に血が混じる」などの症状の場合も同様です。女性に多い病気で、日本人女性の2人に1人がかかると言われています。
多くは大腸菌などの細菌が、外尿道口から膀胱内に侵入し、増殖することで起こります。しかし、細菌が膀胱に入ってしまっても、体が健康な状態であれば、体の持つ抵抗力で増殖が抑えられます。
寝不足やストレス、疲れなどで抵抗力が弱まっていると細菌が増殖しやすく、膀胱炎を発症しやすくなります。女性に多いのは、尿道が男性に比べ短いため、細菌が容易に膀胱内に侵入しやすいためです。
膀胱炎は、生活の中で少し注意をすることで防げる病気です。①水分を十分にとる習慣をつける②排尿を我慢しない③下半身の冷えを防ぐ④排便や排尿後は、前から後ろに拭く⑤陰部を清潔に保つ(女性の場合、特に生理中は注意)⑥ストレスや過労を避ける─などが挙げられます。
尿意切迫感、膀胱痛などの症状があり、膀胱炎の症状とよく似ているものに「間質性膀胱炎」があります。膀胱の粘膜の下の間質が委縮して症状を引き起こします。細菌性の膀胱炎は抗菌剤で治療できますが、間質性膀胱炎には抗菌剤は効きません。中高年の女性に多く発症します。
膀胱炎を放置すると、細菌が腎臓まで及び、高熱などを引き起こす腎盂腎炎を誘発することがあるので注意が必要です。また、膀胱炎の背後に膀胱がんや膀胱結石、男性の場合は、前立腺肥大症などの病気が隠れていることもあります。膀胱炎が疑われるような症状がある時は、迷わず医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。
協力/群馬県医師会