専門的なリハビリで 自立支援をサポート
心と体 両面から健康づくり

新型コロナウィルスの第3波で感染が拡大する中、在宅の要介護者の自立支援を行う通所リハビリテーション(デイケア)では、感染症予防の対策を徹底しながら、継続的なリハビリ、食事、入浴などの介護サービスを日帰りで提供している。伊勢崎市の医療法人原会グループの介護老人保健施設「まゆ玉」の通所リハビリサービスについて、理学療法士でリハビリ主任の田中和美さんと、介護福祉士でデイケア主任の吉橋美和さんに特徴と取り組み、感染症対策について語ってもらった。

お話を聞かせていただいた介護老人保健施設「まゆ玉」の、 理学療法士でリハビリ主任の田中和美さん(左)と、 介護福祉士でデイケア主任の吉橋美和さん(右)。

感染対策を徹底しサービスを提供

―はじめに施設の概要をお聞かせください。

田中 通所リハビリの定員55名で、要支援から要介護5の認定を受けた方が利用しています。リハビリスタッフは理学療法士4名、作業療法士3名、言語聴覚士1名で、集団リハビリのほか、個別リハビリでは一人ひとりの状態に合わせた運動実習を行っています。

吉橋 リハビリ以外にも入浴や食事、創作活動やレクリエーションで交流を楽しみ、心と体の両方からの健康作りを大切にしているのが特徴です。

―コロナの第3波の最中ですが、どのような感染症対策をしていますか。

吉橋 利用者の方には朝、自宅で検温していただき、スタッフが送迎の乗車時、施設到着後、お昼と計3回、検温しています。熱が37・0度以上あったり、ご家族が体調不良だったりした場合は、施設の利用をお休みいただいています。PCR検査を受けたご家族がいた場合も報告をお願いしています。そのほか、マスク着用、手洗い・うがい、手指のアルコール消毒、手すりや机の消毒、換気、アクリル板でのスペース確保など、徹底して感染対策を行っています。もちろん職員も朝と出勤時、お昼、帰宅時と1日4回検温を行い、1日の行動記録も取っています。

―リハビリの現場での対策はいかがですか。

田中 手指消毒してから入室してもらい、各マシンの仕切りは車椅子の方も利用しやすいように天井から透明のスクリーンをつるし、見通しを良くしています。通常の3分の2となる10人以下という人数制限を行い、廊下で体操するなど、できる限りスペースを広く取るように配慮しています。

新規利用者も随時受け付け

―新規利用者も受け入れていますか。

吉橋 はい。現在、定員55名のうち約40名が利用しており、新規の方も随時受け付けています。他の事業所が休止になって移られた方もいます。介護老人保健施設のため、主治医の先生が作成する「診療情報提供書」を施設内で共有した後、ご利用いただいています。

工夫しながら生活自立をサポート

―行動制限がある中、どのような工夫をされていますか。

吉橋 社会との交流が減り、不安になってしまう方もいるので、楽しめる活動をいろいろ考えています。マスク不足だった昨年春は、利用者さんの提案で「自分たちも役に立つことをしたい」と手作りマスクを作って県と伊勢崎市に寄贈しました。70~90代と高齢の方たちでしたが、縫製が得意で皆さん生き生きと活動されていました。

田中 お祭りも外出でのレクもできないため、昨年10月には焼きまんじゅう屋さんに出張してもらいました。皆さん、お祭り気分でとても喜んでくれました。

―感染対策をしながら交流を楽しんでいるのですね。運動不足による健康二次被害の予防についてはいかがですか。

田中 これまで散歩や買い物に出かけた方も外出しなくなり、全体的に体力が落ちています。ご自宅でできる「体操カード」を配ったり、通所を控えて筋力が落ちてしまった方には訪問リハビリなどでフォローしたりしています。今後も工夫しながら体力低下の予防に努め、日常生活での自立をサポートしていきたいと思っています。

新型コロナウイルス感染症対策
発熱などの症状があったら…
発行
上毛新聞社営業局「元気+らいふ」編集室
FAX.
027-254-9904