ウイルス性イボ
放置は禁物!
早期治療で根気よく
明治皮膚科(吉岡町)
院長
新見 佳保里さん
手や足にいつの間にかあった小さなできものを放置していたら、数が増えたり、大きくなったりしていることはありませんか。それはウイルス性のイボかもしれません。
イボは、擦り傷や手荒れ、ひげそりなどの小さな傷から「ヒト乳頭腫ウイルス」(HPV)が感染することで生じます。そのため、傷ができやすい手足やひざ、顔、外陰部などに多くみられます。足のイボを触っているうちに、手や顔など、あちこちに増えてしまうこともよくあるので、放置は禁物です。
HPVにはたくさんの種類があり、できる場所やウイルスの種類によって、イボの見た目はさまざまです。加齢に伴ってできるウイルスとは関係のないイボや、荷重部にできやすいウオノメやタコとの鑑別も必要です。自己判断せずに、早めに皮膚科を受診しましょう。
治療の第1選択は、液体窒素による凍結療法です。2週間くらいの間隔で、数カ月の通院治療を要することが多いです。イボに厚みがある場合は、削る治療も併用します。通院の間隔を空け過ぎる、まだイボが残っている状態で治療を中断してしまう、イボが多い、あるいは大きい場合は治るまでに時間がかかるので、根気よくなるべく早めに適切に治療を受けることが大切です。
液体窒素は有効な治療法ですが、痛みを伴います。小さなお子さんや痛みで難しい場合には、皮膚を柔らかくする作用を持つ「サリチル酸ワセリン」の外用や、免疫を増強して自然治癒的な効果が期待される「ヨクイニン」の内服など痛くない治療法も選択できるので、相談してください。
しっかり睡眠を取る、バランスの良い食事を取るなど規則正しい生活を送り、免疫力アップを心掛けましょう。ヨクイニンはハトムギ茶を薬にしたものなので、ハトムギ茶を飲んでみる、手荒れ予防にハンドクリームの使用、足指の間にイボができたときは、隣の指にうつらないように5本指ソックスをはいてみるなども良いでしょう。
協力/群馬県医師会