脳内刺激し抑うつ脱却
有酸素運動は、筋や骨だけでなく脳にも良い影響をもたらすことが知られています。しかし、激しい運動を習慣化することはたやすいことではありません。そこで、私たちの研究室では、誰もが快適に継続できる短時間の軽運動の脳への効能について調べています。これまで、短時間の軽い有酸素運動を行うと、うつ病で萎縮や機能低下が起こる前頭前野や海馬の活性化をもたらすと同時に、抑うつ気分を解消させることを明らかにしました。この研究結果は、運動にはうつ病に逆行する効果があること、さらにうつ病患者でも親しみやすく、軽い強度でも効果を十分に享受できることを示しています。
音楽と運動合わせた体操
音楽と運動を合わせると、気分がより前向きになるという知見をもとに、「フリフリグッパー体操」を開発しました。これまで20年近く、茨城県利根町で自治体と協力して運動教室を続けています。好みのノリの良い音楽に合わせ、脚、腰、手の動きを協調させ、仲間と楽しく習慣化していくことがポイントです。
【フリフリグッパー体操】
①体の芯を意識して背筋を伸ばし、足は肩幅と同じくらいか少し狭めに開きます。
②音楽のリズムに乗りながら、軽く左右に重心を移動するようなイメージで、両足のかかとを交互に浮かせながらステップを踏み、糸でつるした振り子のように左右へ腰を振ります。
③足の動きと合わせ、手は両腕を開いた時にグーを握り、閉じる時にパーに開いて胸の前で手を叩きます。3分から始め、気分が好転することを感じてみてください。