血液中のコレステロールまたは中性脂肪の量が増え過ぎたり、減り過ぎたりする状態を脂質異常症と呼びます。コレステロールや中性脂肪と聞くと悪者のように感じられますが、実は体にとってなくてはならない重要な役割を果たしています。コレステロールは細胞膜やホルモンをつくる原料となり、中性脂肪は体を動かすためのエネルギー源となります。
血管病の原因に
「LDL(悪玉)コレステロール値が高い」「HDL(善玉)コレステロール値が低い」「中性脂肪値が高い」のいずれかにあてはまると脂質異常症と判断されます。
脂質のバランスが崩れると血管の壁にコレステロールがたまって動脈硬化を招き、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった血管病の原因になります。はっきりした自覚症状がないため、「大したことはない」とそのまま放置してしまうケースが多いようです。血管に深刻な病気を起こさないためにも、早い段階から自分で日常生活(食事や運動)を改めていくことが非常に重要です。
生活習慣の改善
脂質異常症の治療や予防法として効果が認められているのが「生活習慣の改善」です。基本となるのが①適度に体を動かす②食生活を改善する③体重を適正に保つ―の3点です。
①でお勧めするのが、ウオーキングなどの有酸素運動。HDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減らします。②食べ過ぎずにバランスの良い食事を心掛けることが、LDLコレステロール値や中性脂肪値を下げます。③適正体重を維持することで、内臓脂肪を減らし、動脈硬化を予防します。
効果的な有酸素運動
体にたまった脂肪を減らすには、有酸素運動が最も効果的です。さまざまな有酸素運動がありますが、誰でも、どこでも、いつでもできるウオーキングがお勧めです。さらに筋力トレーニングをプラスすると、筋肉が増えて基礎代謝を上げることができ、太りにくい体づくりに役立ちます。