狭心症は、心臓の筋肉に栄養を運ぶ冠動脈の動脈硬化が原因となって起こります。冠動脈が狭くなり、十分な血液を心臓が受け取れない場合、一時的に心筋が酸素不足になり、胸部の不快感や胸痛が自覚されます。
冠動脈の動脈硬化を起こしやすくする要因のことを冠(かん)危険因子といいます。「高血圧・糖代謝異常・脂質異常症・喫煙・肥満・運動不足・ストレス」などが挙げられます。
有酸素で脂肪燃焼
特に必要以上に蓄積された内臓脂肪からは、「アディポサイトカイン」という炎症物質が分泌され、高血糖、脂質異常、高血圧、動脈硬化など、いわゆる生活習慣病の発症や進行、冠危険因子にかかわる身体へのリスクを高めます。
そこで「有酸素運動」の出番です。有酸素運動は体脂肪が主なエネルギー源となりますが、中でも内臓脂肪から燃焼され始めます。生活習慣を整えるとともに、定期的な有酸素運動で必要以上に脂肪をため込まないよう心掛けましょう。
「ややきつい」が効果的
運動時に感じる「運動の強さ」のことを「主観的運動強度」といいます。おおよそ「楽である~ややきつい」と感じる強さが有酸素運動。「きつい~かなりきつい」と感じる強さは無酸素運動に当たります。
狭心症の発症・再発予防の効果的な運動には、有酸素運動が適しています。代表的な運動様式として、ウオーキングやジョギング、サイクリング、水泳などが挙げられます。屋外では暑さ寒さ対策や水分補給をしっかり行い、1回15分から始め、30分を目安に実施しましょう。