困っていませんか?「適応障害」

心開いて 精神の回復を

上毛病院(前橋市)
院長 服部 徳昭さん

最近よく耳にする「適応障害」は、ストレスと関係しています。程度に限らず、その人に「強い苦痛」や「社会的、職業的に重い障害」が生じ、「本人が確認できるストレス」が始まってから、3カ月以内に心や行動に異変が出てくる症状を指します。5~20%の人が発症するという報告もあります。ストレスがなくなると、症状が6カ月以内には改善します。

一定期間ストレスを感じ、「最近、自分がいつもの自分と違う」と思ったり、周りの人から指摘されたりしたら注意が必要です。落ち込む、イライラや怒りっぽい、不安や恐怖でドキドキする、手が震える、飲酒量が増える、眠れなくなるなど症状はさまざま。生活に支障をきたす前に専門医に相談してください。休養する、学校・職場・家族との連携も大切です。

環境や人間関係のささいな変化がストレスとなり、心や体に不調が生じることは「誰にでも」起こり得ます。幼い時から「精神の回復力」(レジリエンス)が備わり、学校や職場、人間関係などに対して、上手に対応して心身ともに健康であり続けようとします。地域社会や人とのつながりを感じるときに、自尊感情とレジリエンスが強まります。心を開いて、明るい気持ちで過ごしていきましょう。

協力/群馬県医師会
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