脂肪肝は要注意
肝臓は①食物中の栄養素を代謝する②アルコールやアンモニアなどの有害物資を無毒化する③脂肪の消化・吸収に必要な胆汁をつくる―主に三つの働きがあります。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、障害が起きても自覚症状がなかなか現れません。病気で細胞が壊れ始めても自力で再生し、乗り切ってしまいます。肝細胞の破壊が進むと修復が追い付かなくなり、壊れた細胞の隙間を繊維組織という別の組織で埋めていくようになります。次第に肝臓が硬くなり、肝硬変となってしまいます。
肝硬変の原因は、肝炎ウイルスへの感染、飲酒、生活習慣病などです。人間ドックで4人に1人、BMI25以上の半数が、脂肪肝を指摘されるといわれています。脂肪肝は肝硬変に進行する可能性があり、注意が必要です。自覚症状がほとんどない代償性肝硬変から、肝細胞の破壊がさらに進み、皮膚が赤くなるクモ状血管腫や黄疸など自覚症状が現れる非代償性肝硬変へと進行していきますが、早期に治療を受ければ、非代償性から代償性の状態に戻すことも可能です。