Interview

ピアノコンクール先輩の声

第31回群馬県ピアノコンクール高校生の部最優秀賞

岡部 唯さん ・ お母さまのQ&A

 この春、名門音楽大学の桐朋学園大学を卒業し、プロピアニストとしての道を歩み始めた岡部唯さん(22)。岡部さんは高崎経済大学附属高校芸術コース音楽系3年時、第31回群馬県ピアノコンクールに出場し、高校生の部で最優秀賞を受賞しました。岡部さんがピアノに親しみ始めたきっかけから、プロになるまでの道のりなど貴重なお話を伺いました。また、唯さんを近くで見守ったお母さまにも、ピアノと共にあった子育てについて振り返っていただきました。

. ピアノを始めたきっかけは何ですか?
   母が3歳の誕生日にキーボードを買ってくれて、母と遊びながら弾き始めました。近くにヤマハ音楽教室が新しくできて、通いたいと言って4歳から習い始めました。

. コンクールに何歳くらいから出ていましたか?出場経験も教えてください。
   小学3年生くらいからコンクールに出始めました。最初はヤマハのグループのお友達みんなが出るからという程度でしたが、賞が取れないと悔しくてだんだん本気になっていきました。

   群馬県ピアノコンクールは小学5、6年、中学3年、高校3年と計4回出ました。中学3年までは本選にも出場できていませんでしたが、高校3年で最優秀賞を取ることができました。

   それ以外にも、北関東学生ジュニアピアノコンクール、煥乎堂ピアノコンクール、ショパン国際ピアノコンクールin ASIA 、北関東ピアノコンクールなど数々のコンクールに出場しています。


. コンクールで賞をとるまでどのような練習をしていましたか?
   当たり前のことですが、まずは毎日練習することです。時には練習をしたくないこともあるので、練習時間はいつも同じというわけではありません。当たり前なことこそ続けることが大変な時もありますが、練習時間が少なくても必ず毎日ピアノに触れるようにしていました。

   曲への取り組みとしては、毎日1回、1曲通すようにしています。そこから片手ずつメトロノームやリズム練習などで極め、両手練習と進めていき細かく練習しています。

. 受賞後のピアノ人生に変化はありましたか?また、心掛けていることはありますか?
   高校生の部で最優秀賞をとってから、演奏会に出演させていただける機会が多くなりました。室内管弦楽団「カメラータ慈音」主催の「若い芽のコンサート」に出演させていただき、今でもカメラータ慈音さんと共演させていただいております。演奏会に出演させていただけるということは、演奏家にとって大変ありがたいことです。

   私が心掛けていることは自分の演奏技術、表現などを高めていくこと、音楽を楽しむこと、そして、人との出会いを大切にすることです。将来を見据えることも大切ですが、その時その時を大切にしています。


. いつごろからプロのピアニストを志しましたか?
   ずっとピアノの先生になることが夢でしたが、プロの演奏家になりたいと思ったのは、大学生の時です。周りには、すでにプロとして活躍している先輩や同級生もいて刺激を受けました。自分の演奏を通して、聴いている人に伝えたい、届けたいという思いが大きくなりました。


. 娘さんのコンクール参加のきっかけやその経験から得られたものを教えてください。
   最初は先生に勧められて、ヤマハのグループのお友達みんなが出るからという理由で参加しました。出場してみると、本番で思った演奏ができなかった、賞を取れなかったと悔しい思いを味わい、もっと上手になりたい、賞を取りたいとどんどん上を目指して行き、参加するコンクールが増えていきました。

   コンクールに向けて努力すること、本番の緊張感のなかで集中すること、自分の思い通りにはいかないことがあっても次の目標を見つけて前に進むことなど、多くのことを得られたと思います。

   どちらかというとうまくいかないことが多かったように思いますが、ずっと音楽を続ける意志の強さは我が子ながら感心します。


. 小さい頃のアドバイスやサポート方法はありますか?
   最初は一緒に楽譜を読んだり、片手ずつの練習に付き合ったりしていました。ピアノの先生と違うことを言って混乱させないようにと、自分で練習できるようになってからは、あまり口を出さないようにしました。

   私自身がずっとクラシック音楽が好きなので、車内でクラシックを流していたり、国内最大級のクラシック音楽祭など音楽イベントに毎年連れて行ったりしました。イベントでは、コンサートのほか、公開レッスンやオペラも鑑賞できます。音楽に触れる良い機会を多く作りました。


. 親としての指導法、潜在能力を引き出してプロにした親の目線は?
   気を付けていたことは「音楽を嫌いにならないこと」と「自分で決めること」です。コンクールに出るためには、たくさん練習したり、時には遊びを我慢したりする必要があります。厳しい練習で辛いこともあったと思いますが、音楽を嫌いになってほしくないという思いがずっとありました。心の底から好きであれば、辛いことも乗り越えられると思っていました。特に夏はコンクールラッシュで練習する曲が多く、日程が忙しくなります。コンクールや演奏会に出るかどうかは、すべて自分で決めさせて、自分で出ると決めたからには真剣に取り組むように伝えていました。

   ピアノの先生になることが夢だったので、その夢を叶えられるように応援していましたが、まさかプロになるとは思っていませんでした。高校で専門的に音楽の勉強をすることができ、大きく成長できたと思います。高校入学時には名門音大に合格することも想像していませんでした。そこまで導いて下さった先生方には大変感謝しております。

   音楽が好きで辛いことがあっても乗り越えられる様子を見て、この子には音楽しかないとだんだん感じていきました。小さい頃から才能があったわけでもなく、プロにしようと育てたわけでもありません。ただ、娘が小学校高学年の頃、偉い先生のレッスンを受けた時に、「この子は感性が良い(レスポンスが良い)からグランドピアノで練習したら伸びる」と言われ、それが後押しになり、グランドピアノの購入を決めました。


. 家族としてどのように支えましたか?
   大したことをしていないような気がしますが・・・「いつも応援しているよ」と伝えることと見守ることでしょうか。体調が悪そうとか精神的に不安定そうだと思うと話を聞いたりしていました。

   コンクール本番では弾くことに集中できるように、カイロや軽食の準備などをしたり、不安をあおらないように気を付けたりするくらいです。